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映画・演劇のレビュー

『幽遊白書』

2024-01-11 19:38:48 | 映画

一世を風靡した大ヒット漫画を今の時代だから可能な実写化作品として制作した映画化、ではなくNetflixによるドラマ化である。もちろん『ワンピース』に続く映画に負けない予算によって作られた大作だ。

全5話というスケールは映画よりは長いが連続ドラマとしては短いミニシリーズ。コンパクトにまとめられたお話は簡潔で見やすい。僕は原作マンガもアニメも見ていない。だからまるでお話は知らなかったけど、あまりにたわいない話で拍子抜けした。途中でやめてしまおうか、とも思ったけど、たった5話だから最後まで見た。監督が大好きな月川翔だったからだ。彼の映画はとてもいい。青春映画が中心だったからアクションはこれが初めてだ。だからこの作品は彼にとっても新境地になる。
 
昔ながらのB級映画感覚の作品になっている。ここには大作の風格はない。だけど貧乏くさい作品にはなっていない。もちろんこれは確信犯だ。見せ方は軽くてツッコミどころも満載。コミックならではの安易さを受け入れてリアルからはほど遠い世界を満喫させてくれる。有名俳優がコスプレ仕様で登場し、みんな楽しそうに本気でこの世界を体現している。ストーリーよりもバトルを中心にして展開する。話は簡潔、アクションは満喫。北村匠海と綾野剛のバトルがクライマックス。なかなかそこには至らないし、気を持たせる。ほかのキャラクターのアクションシーンを延々と見せる。そして満を持して満腹になるくらいに延々と続くふたりの戦いを描く。
 
最後まで見て納得した。これでいいのだ、と。アメコミの映画とはいささか違う日本ならではの趣きのあるチープな世界を作り上げている。これはこれで楽しい。

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