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映画・演劇のレビュー

森見登美彦『美女と竹林』

2008-10-09 21:50:03 | その他
 最初はなんだか面白かった。だが、だんだんこのくだらなさが鼻についてきた。森見氏は確信犯的にこんなバカをしているのだが、実は本当は、ただ書けなかっただけではないか、なんて思わせるくらいに見事にバカバカしい。

 あまりにリアルなバカぶりで、この人は駄目になったのではないか、と心配させられる。連載を続けていくためだけに書いていると思わせるくらいにくだらない。ただ「竹が好き」、それだけ。そんな純粋な小説家が、竹への愛を切々と綴る珠玉の随筆集スタイルの長編小説である。

 『夜は短し恋せよ乙女』を読んだ時の衝撃は忘れない。なんだ、これ?と思いながらもなんだか、感動してしまった。あれからまだ何年も経っていないのに、どうしてこんなことに・・・(泣)

 自分で自分を笑うという高度なスタイルで傑作映画を作ったディズニーの『魔法にかけられて』を見てしまったから、こういうレベルの仕掛けではあまり感心しない。残念な出来であったと森見氏には伝えておいてくれ。

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