かなり期待した。一昨日飛行機の中で、少し見ている。(別項参照) 一刻も早く見たくてワクワクしながら公開初日に劇場に行く。だが、残念ながら今回の映画は失敗している。
だいたいこの作品はシリーズ化して続編を作るべき作品ではなかったと改めて思う。1本の読み切り映画なのだ。なのに予想外の大ヒットからシリーズ物になってしまった不幸な映画なのである。
第一作は105分で、決して大作ではなかったはず。なのにアクションはエスカレートしてどんどん肥大化して、やがては収拾がつかなくなった。この第4作は完結編というより、仕方なく終わらせてしまうための映画になった気がする。だけど終わらせるならやりたい放題したい。そんな映画だ。
それにしても169分は長い。なんと2時間49分である。あり得ない長さだ。内容はない。ジョン・ウィックが組織のボスを倒すまでが描かれる。前半の大阪篇は、導入部で、親友の真田広之を頼って大阪に来たジョンを組織が追いかけてきてのバトル。真田広之とドニー・イェンの対決がクライマックス。これがちょっとあっけなくてガッカリ。
この後の2時間も怒濤の展開だが、その前に地下鉄で梅田駅まで向かうジョンが描かれる。車両内には誰もいない。確か刀を持っていたような。そこに真田の娘が乗り込んできて、あなたを許さないとか言う。とんでもない大阪が描かれる。まぁそれはいつもの事だけど。
それにしてもパリ篇が凄い。凱旋門の周りでひっきりなしに車が走る中でのアクションは凄まじい。さらにはクライマックスのサクレクールの長い階段を上りで見せるアクション。ジョンはあの石段の上に辿り着くか。階段の上から下までまさかの階段落ちは『蒲田行進曲』の悲壮なシーンを思い出す。もちろん階段の長さは数倍ある。あそこから落ちて死なないなんて有り得ないし、それどころじゃない。再び立ち上がって登っていくし、まだまだ戦っている。しかも登ったところからドニーイェンとの戦いが待っているのだ。
大阪の後パリに行くまでにも怒濤の戦いが描かれるのだが、さすがに長すぎて、アクションシーンの途中で何回か居眠りしてしまう。だが、起きたらまだ続きをやっているのだ。それってなんか別の意味で凄くないか。
『ミッション・インポッシッブル』の長さにも驚いたが、今回はそれ以上の驚き。延々と単調になるまで派手な肉弾戦を見せる。昔のジャッキー映画を思わず思い出したくらいだ。いやはや。