オリゴのくせに(失礼!)ファンタジーっていったい何なのか、と思いながら見ていたのだが、そういう先入観をあざ笑うような不条理劇が展開していくのには唖然とする。『銀河鉄道の夜』なんかをわざとらしく下敷きにして、でも、あまりロマンティックではない。
だいたい下品です。下半身をむき出しにした男たち(パンツははいているはず、一応見えないようになっていて、そこもまた嫌らしい)が電車ごっこをするシーンから芝居は始まる。本人たちは自分たちのことを電車ではなく列車だという。パンタグラフがないかららしい。まぁ、本人たちが言うそんな細かいことなんかはどうでもいい。ここで大事なことは自分たちが繋がっている、という幻想である。この幻想を断ち切るところからこのドラマは始まる。しかし、はたして本当に断ち切る事が出来るのか否かが、このドラマのポイントであろう。
3人の女たちと5人の男たち。そして、車掌。計9人のよるドラマはとてもわかりやすい構成になっている。女たちのそれぞれの事情を中心にして、そんな彼女たちを突き放す、あるいは、包みこむ男たちという図式から、タイトルにある「子供の頃から子供じゃなかった」大人になれない子供たちのお話が綴られていくことになる。
作、演出の岩橋さんは、今回いつも以上に甘くて優しい。それは当日パンフにある「無意味で殺伐とした世界」に生きるための手段なのかもしれない。ここに描かれることはかなりシビアな現実だ。それを敢えて女性の視点から描くことも、今、女性が置かれている状況の過酷さを指し示す。所詮男なんて、雑草の世に逞しく生きれる。この芝居の5人の男たちの甘さはその辺を象徴しているのだろう。
派遣社員として、正社員以上にきちんと働いているのに、派遣であるがために軽視され、こき使われるしかないイシザワ・サエコを中心にした3人の女たちのある種ステレオタイプのキャラクター造型は気になるけど、今回はこういう形のファンタジーの意匠を纏うことで、見せたかったのだろう。でも、なんだか一番大事な部分が伝わりきらないもどかしさが残る。
だいたい下品です。下半身をむき出しにした男たち(パンツははいているはず、一応見えないようになっていて、そこもまた嫌らしい)が電車ごっこをするシーンから芝居は始まる。本人たちは自分たちのことを電車ではなく列車だという。パンタグラフがないかららしい。まぁ、本人たちが言うそんな細かいことなんかはどうでもいい。ここで大事なことは自分たちが繋がっている、という幻想である。この幻想を断ち切るところからこのドラマは始まる。しかし、はたして本当に断ち切る事が出来るのか否かが、このドラマのポイントであろう。
3人の女たちと5人の男たち。そして、車掌。計9人のよるドラマはとてもわかりやすい構成になっている。女たちのそれぞれの事情を中心にして、そんな彼女たちを突き放す、あるいは、包みこむ男たちという図式から、タイトルにある「子供の頃から子供じゃなかった」大人になれない子供たちのお話が綴られていくことになる。
作、演出の岩橋さんは、今回いつも以上に甘くて優しい。それは当日パンフにある「無意味で殺伐とした世界」に生きるための手段なのかもしれない。ここに描かれることはかなりシビアな現実だ。それを敢えて女性の視点から描くことも、今、女性が置かれている状況の過酷さを指し示す。所詮男なんて、雑草の世に逞しく生きれる。この芝居の5人の男たちの甘さはその辺を象徴しているのだろう。
派遣社員として、正社員以上にきちんと働いているのに、派遣であるがために軽視され、こき使われるしかないイシザワ・サエコを中心にした3人の女たちのある種ステレオタイプのキャラクター造型は気になるけど、今回はこういう形のファンタジーの意匠を纏うことで、見せたかったのだろう。でも、なんだか一番大事な部分が伝わりきらないもどかしさが残る。