習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』

2017-07-05 20:43:23 | 映画

 

シリーズ第5作。よくもまぁ、こんなに続いたものだ。1本目がヒットしてどんどん続編が出来るというのはパターンなのだが、さすがに飽きたから、あまり見る気はなかったのだが、たまたま時間つぶしにちょうどよかったので見た。(全国900以上の劇場で公開されているから、時間が合わせやすい)

 

期待しなかったこともあろうが、思いもしない拾い物で、見てよかった。シリーズ5作の中でも一番出来がいい。エンタメに徹して潔い。これはアトラクション映画である。(ディズニーのアトラクションが原作)そして、映画ではなくイベントだ。楽しめればそれだけでいい。お客さんを驚かせ、楽しい気分にさせる。考える必要はない。ただ、ただスクリーンを見守り一喜一憂すればいい。

 

冒頭の銀行強盗のエピソードのド派手さ。楽しませるためならなんでもするぜ、の心意気。そうそう、その前にプロローグもあった。主人公になる青年が(オーランド・ブルームの息子役)父を助けるため、ジャック・スパロウを探し出す旅に出るという話。つかみとしてはなかなかよく出来ている。その後、先に書いた銀行強盗の話になりジャックが登場する、という段取りだ。実によくできたパターン。その後の展開も無理がなく、単純なお話をひたすら派手に見せる。

 

おきまりのパターンをなぞりながら、こんなにも気持ちよく楽しませる。これぞ娯楽活劇の王道。敵と味方が入り交じって、伝説の秘宝、ポセイドンの槍を探し出す旅に出る。2時間9分というシリーズ最短の上映時間もいい。これまでの作品は長すぎた。正直言うと今回の尺でも、まだ長いくらいだ。途中少しだれる。凄いスケールの映画だから、満腹するのだ。もうお腹いっぱいでしんどい、という状態にさせられる。テーマパークのアトラクションは10分にも満たないのだから、映画だって短くてもいい。まぁ、お話もなくてはならないから、2時間強が妥当な線だろう。(今までは2時間半から3時間に及ぶ作品だった)

 

すごい迫力のシーンが続く。いつもなら途中で飽きてしまうところなのだが、ユーモアとのバランスがいいから、退屈させない。ジョニー・デップが実に楽しそうに最後のジャック・スパロウを演じた。吹っ切れた感じでとてもいい。前回の4作目は、もうなんだかノルマのように見えたけど、今回は生き生きしている。

 

亡霊たちとの戦いなんていうむちゃくちゃな話がこんなにもすっきりと描けるのもこのシリーズの魅力だろう。バカバカしいとは思わないのだ。ジャックの旅ならあり得る。なんでもあり、なのである。荒唐無稽というのは、それを納得させられたなら最強だ。それがここでは可能なのである。何が起きても驚かない。海が二つに割れて、その底から逃げ出すとか、よくあるパターン。でも、実に見応えのある映像でストーリーにマッチした。おきまりのお話をこんなにも楽しく見せるのがいい。2組のカップルが抱き合い、ジャックは船で去って行く。エンドマークが似合うラストシーンだ。よかった、よかったと拍手したくなる。


余談だが、(というか、ずっと余談のようなことばかり書いているけど)この映画の監督が(僕の)知らない人2人組になっていたが、これだけ仕掛けの大掛かりな映画だから、そこには作家ではなく、現場監督としての監督は必要だったのだろう。

 

余談もう一つ。せっかくの大団円なのに、エンドロールの後にまた、つまらないオマケのシーンがあり、そこにはがっかりさせられる。(最近このパターンのアクション映画が多い。マーベルコミック映画のせいだ!) 気持ちよく劇場を出たいなら、そこはもう見ない方がいい、と僕は思うのだが。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 七月隆文『ケーキ王子の名推... | トップ | 千早茜『ガーデン』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。