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映画・演劇のレビュー

『超高速! 参勤交代 リターンズ』

2016-09-13 22:38:53 | 映画

 

まさかの続編だ。アイデァ勝負の作品だから、絶対もう一回なんてないわぁ、と思う。台本は不可能。何をしても前作を越えられないし、二番煎じにしかならない企画。討ち死に覚悟で作ったのではないか。前作がまさか!のヒットで松竹は気を良くして、例によってもう1本、という昔ながらのワンパターン。(しかも、タイトルの『リターンズ』ってなんだぁ? 時代劇のタイトルではないよな、それ。)

 

作らす会社はいいけど、作る方はよくない。これはとんでもなく大変なことだと思う。こんな勝算のない戦いに挑んだ本木克英監督なのだが、簡単にはやられない。前作を凌ぐためには、前回以上に早く帰る、というバカバカしい設定をまず用意した。なんと、前作の直後のお話。映画はまだ終わってはいなかった、というパターンだ。でも、あんなに見事な大団円を迎えた後にどんなドラマを作るのか。

 

たった4日間で江戸までやってきた彼らに、なんと今度は2日で帰れというミッション。確かにこれは前作以上に過酷だわ。でも、そのストーリーを支えるアイデアがあるのか? 正直言おう。ない。しかも、2日だから、ちゃんとすぐに着いてしまう。映画が始まって1時間もかからない。では、残りの1時間は何をする?

 

いやぁ、よく頑張った! 感心する。いくらでもアイデァなんてあるもんだ、と。その手があったかぁ、と思った。だけど、これでは『参勤交代』の話ではなくなる。まぁ、前半はそうだから、それはそれでいいかぁ、と思う。面白ければ大丈夫。たった7人(だったっけ?)対1000人の戦い、というこれも定番の展開。今回この無謀な映画を勝つために本木監督の取った作戦は、正面突破しかない、という判断だ。大胆だが、賢明な手だ。バカ正直に行くしかない。最初から最後まで物語の王道を行く。それが結果的には大胆で斬新につながる。あっぱれと言うしかない。

 

但し、これではさっきも書いたけど、タイトルの『超高速! 参勤交代』というお話からはずれてしまうけど許してね。

 

最後に余談ながら一言。主役の佐々木蔵之介はともかく、今回は大岡越前役で古田新太が出ていて、更には橋本じゅんも出ている。昔大阪の小劇場演劇でいつも見ていた顔ぶれが、こういう全国公開の大作映画に顔を揃えるって、なんだか不思議な気分だった。それもあっぱれ。


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