習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

前川梓『さよならサンドイッチ』

2007-12-08 11:30:24 | その他
 かすかな叫び声が聞こえる。女の子たちの小さな悲鳴がこの7つの短編集の中には封じ込められてある。

 そんな弱い心では生きていられないはず。もっと強くならなければ駄目だ、と思う。だけれども、このまだ若くて、無知で、傷つきやすい子どもたちは、こんなくらいの恋で、か細いその身を、すり減らしてしまう。20歳前後の建前では大人になったばかりの女の子たち。

 大学生や、OLになったばかりの新米。人生もこれからのはず。なのに、いくつかの恋で、心を潰してしまっている。男なんかに、まだ幻想を抱いている。付き合って、一緒に暮らして、そして、飽きられる。そんなことを何度も繰り返さなくては女の子たちは学習しないものなのだろうか。

 ここに出てくる弱い女の子たちは、僕にはあまりに痛々しくて、リアルには見えない。一つ目のお話『箱にしまう』から『泡と花火』『おはよう』くらいまでは、まだ「繊細なんだなぁ」なんて驚きつつも一応受け入れられたが、少しずつ飽きてくる。同じ事の繰り返しだからだ。

 DVを扱った話(『ブラックベリーみたいに』)はしんどかった。正直言って優しいだけで、自分勝手な男たちに振りまわされているバカ女ばかりが出てくる。もう少しはまともな男と付き合えよ、と思う。だけれども、この手の女たちは、きっとこういう見た目だけのつまらない男に捕まってしまうように出来ているのだろうなぁ、と思うしかない。

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