今年最初の芝居。ウイングカップ参加作品。初めての集団と接するときは、いつもなんだかドキドキする。どんな世界を見せてくれるのか、そこにはまだ見たことのないような世界が広がるのか。それとも、どれだけがっかりさせられるのか、とか。SF的な世界観を持つ作品は、当たり外れが大きいから、かなり怖い。チラシは雰囲気があって期待大。ちゃんと内容も説明してあるから、台本は早い時期にできているのだろう。これは主宰であるながたゆうかさんの長編デビュー作らしい。
とても慎重に丁寧に作られてある。85分という長さも適当。作り手の思いばかりが先走り、頭でっかちになったり、独りよがりのものになったりしないのもいい。わかりやすいストーリー、テンポのいい展開。
だが、残念ながらそこまでだ。ここに描かれる「世界のありかた」が、どうこの物語を動かしていくことになるのか、そこがきちんと機能したなら面白くなるはずなのだが、ありきたりなSFもののパターンにしかならないので、だんだん退屈してくる。ながたさん独自の世界を構築するには至らない。
近未来、環境破壊により、地球から仮想空間に移動した人類、という基本設定には無理がある。バーチャル空間なら移住ではない。地球自体が居住不可能になったわけではないようなので、残った人たちがいる。その人たちとの確執とかは描かれない。現実空間と仮想空間という対立項がリアルではない。仮想空間で生きることの意味も描き切れないから、緊張感が生じない。リアルの感触、とリアルとは違う。その差に迫らないことには緊迫したドラマは生まれない。地球に残った人たちが仮想空間に移住した人たちを管理する役割を担うのなら、彼らと交信が取れなくなるという事態は何を意味するのか。このシステムを作った博士は何を考え、何を仕掛けたのか。そこにもう少しドキドキするようなお話としての仕掛けが欲しかった。もっとスリリングに「今ある現実」という恐怖をここに描いて欲しかった。
とても慎重に丁寧に作られてある。85分という長さも適当。作り手の思いばかりが先走り、頭でっかちになったり、独りよがりのものになったりしないのもいい。わかりやすいストーリー、テンポのいい展開。
だが、残念ながらそこまでだ。ここに描かれる「世界のありかた」が、どうこの物語を動かしていくことになるのか、そこがきちんと機能したなら面白くなるはずなのだが、ありきたりなSFもののパターンにしかならないので、だんだん退屈してくる。ながたさん独自の世界を構築するには至らない。
近未来、環境破壊により、地球から仮想空間に移動した人類、という基本設定には無理がある。バーチャル空間なら移住ではない。地球自体が居住不可能になったわけではないようなので、残った人たちがいる。その人たちとの確執とかは描かれない。現実空間と仮想空間という対立項がリアルではない。仮想空間で生きることの意味も描き切れないから、緊張感が生じない。リアルの感触、とリアルとは違う。その差に迫らないことには緊迫したドラマは生まれない。地球に残った人たちが仮想空間に移住した人たちを管理する役割を担うのなら、彼らと交信が取れなくなるという事態は何を意味するのか。このシステムを作った博士は何を考え、何を仕掛けたのか。そこにもう少しドキドキするようなお話としての仕掛けが欲しかった。もっとスリリングに「今ある現実」という恐怖をここに描いて欲しかった。
「MEHEM」ですね。打ち間違いかな。。