とてもシンプルな映画だ。4話からなるラブストーリーなのだが、単純なオムニバスではなく、4話を絡み合わせて紡ぐという展開のさせ方を取っている。そして、4組とも男女の別れの物話という共通項を持つ。
もちろんタイトルが『サッド・ムービー』だからすべて悲しい話なのだが、それにしても、映画自体は、すべてがストレート過ぎてつまらない。もう少し映画としての仕掛けが欲しい。
せめて、ドラマに奥行きがあればいいのだが、単純なドラマを直線的に見せるだけ。短編映画はストーリーで見せるのではなく、一つの風景を描くことで彼らの感情の琴線に触れる瞬間を見せる時、力を発揮するのだが、この映画はまるで長編映画のスタンスでドラマを見せようとする。その結果通り一遍の描写に終始する。
あげくは、ラストで4つの別れを連続技で見せたりするので、疲れる。4組の悲しい話を見せたら4倍泣かせれるとでも思ったのか。ドラマの絡ませ方も拙い。消防士とアナウンサーの話と、着ぐるみをきた少女の初恋の話にしても、二人が姉妹と言うだけで、それ以上の仕掛けはない。母と息子の話と、別れさせ屋の話なんて、ラストで無理矢理交錯させているだけ。4話がうまく絡まないのなら完全に別々にしてもよかったではないか。
映画のレベルも方向性も違うが、ポール・ハギスの『クラッシュ』を見て勉強して欲しい。あんなにも複雑に、幾つものエピソードを絡ませても見事に全てを収斂させていく語り口のうまさ。衝撃的な内容をそれだけでは終わらせない、素晴らしい映画だ。
この映画は、せめて、この単純さをもっとさりげなく描けれたならよかったのだが、残念ながら、すべての話にメリハリが付き過ぎていてあざといなと思わせるだけだ。もう少し余白が欲しい。そうでなければただのお話にしかならない。
もちろんタイトルが『サッド・ムービー』だからすべて悲しい話なのだが、それにしても、映画自体は、すべてがストレート過ぎてつまらない。もう少し映画としての仕掛けが欲しい。
せめて、ドラマに奥行きがあればいいのだが、単純なドラマを直線的に見せるだけ。短編映画はストーリーで見せるのではなく、一つの風景を描くことで彼らの感情の琴線に触れる瞬間を見せる時、力を発揮するのだが、この映画はまるで長編映画のスタンスでドラマを見せようとする。その結果通り一遍の描写に終始する。
あげくは、ラストで4つの別れを連続技で見せたりするので、疲れる。4組の悲しい話を見せたら4倍泣かせれるとでも思ったのか。ドラマの絡ませ方も拙い。消防士とアナウンサーの話と、着ぐるみをきた少女の初恋の話にしても、二人が姉妹と言うだけで、それ以上の仕掛けはない。母と息子の話と、別れさせ屋の話なんて、ラストで無理矢理交錯させているだけ。4話がうまく絡まないのなら完全に別々にしてもよかったではないか。
映画のレベルも方向性も違うが、ポール・ハギスの『クラッシュ』を見て勉強して欲しい。あんなにも複雑に、幾つものエピソードを絡ませても見事に全てを収斂させていく語り口のうまさ。衝撃的な内容をそれだけでは終わらせない、素晴らしい映画だ。
この映画は、せめて、この単純さをもっとさりげなく描けれたならよかったのだが、残念ながら、すべての話にメリハリが付き過ぎていてあざといなと思わせるだけだ。もう少し余白が欲しい。そうでなければただのお話にしかならない。