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映画・演劇のレビュー

『キャプテンアメリカ シビル・ウォー』

2016-06-09 00:43:13 | 映画

つまらなかった。これはショックだ。前作『ウインター・ソルジャー』がとてもよかっただけに期待した。今回もルッソ兄弟が連投しているから、前作を引き継ぎ、さらなる挑戦に挑んでいることと、楽しみにした。だが、期待は裏切られる。この企画自身がダメなのだ。先に公開された『バッドマンVSスーパーマン』があんなふうに残念な出来になっていただけに、これはそうはなって欲しくないと祈るような気分で見はじめた。アクションではなくまずお話として説得力のある展開が欲しい。ルッソ兄弟ならやれる。はず、だった。

 

なのに、同じ轍を踏む。これは単純なバーサスものではなく、ヒーローたちの団体戦。『アベンジャーズ』がつまらなったのと同じだ。しかも、内紛もの。ヒーローたちが政府の政策を巡って二つに分かれて戦うことになる、なんていうストーリーは面白いはず。そこに、犯罪者を巡る扱い、友情と仲間とのはざまで揺れるキャプテンアメリカ。彼と対立するアイアンマンという図式。面白くなる要素ならいくらでもある。なのに、失敗に終わった。

 

その理由は、まず、ヒーローものに群像劇はいらない、ということだ。もし、どうしてもそうしたいのなら、もっとお話のポイントを絞るべきだった。なのに、あれもこれもで、あまりにもストーリーがとっ散らかってしまった。

 

さらにはみんなの見せ場を用意するため冗長になったりする。これでは本末転倒だ。(その上『アントマン』とか、『スパイダーマン』とかいう一枚看板も登場して、彼らに見せ場をちゃんと用意するしかない。)結局ここでも、そんな失敗ゆえ、退屈な映画と化している。2時間半の上映時間はそんなこんな、が理由だ。スマートじゃない。ヒーローたちの内面の苦悩なら、『スーパーマンVSバッドマン』でも散々やった。ただ、それをもっと軽やかな、さらには、ドラマとしての奥行きを持ち、見せなくてはならない。アクションとストーリーのバランスはもっとちゃんと考えていい。

 

翌日『デッドプール』も見たのだが、これもまた、失敗している。マーベルコミックの映画はもう終わったのか、そう思わせるばかりの無残さだ。

 

『デッドプール』についてはまた稿を改めて


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