ボロボロの身体に鞭を打ちながら怒濤の快進撃を続ける神原さんの新作。今年もこの作品を皮切りにしてこの先3本が待機している。彼女はコロナ禍でも例年の年4本ペースを保ってきた。体を休めている場合ではない。死ぬまで走り続ける覚悟である。
さて、今年最初のこの作品。相変わらずのまたまた過激な芝居だ。戦地で亡くなった男たちの無念が舞い戻り、暴れ回る。彼は大事な妹を国に残したまま戦場に赴き戦死した。彼ら(実はそんな彼はひとりではない。4人の男たち)の無念と未練が舞い戻り、夢の中で入り乱れて、男と女の修羅場が繰り返される。
短いシーンでさまざまな状況が描かれる。役者は全員がひとりで二役、三役を演じる。それらのエピソードが絡まり合って入り乱れる。やがて、まさかの猟銃による惨殺に至る。殺されるのは戦死した男たちばかりだ。もちろん彼らはすでにここではないどこか(戦地)で既に亡くなっている。神原ワールドのメインフィールドである原っぱを舞台に、いつものお約束の惨殺まで。1時間5分を一気に走り抜けていく。