もう一度、最初からやり直そう。出会ったときから始めて、恋をしよう。事故により2人の記憶をすべて失った妻を取り戻すために、彼は2人で作ってきた記憶を胸に抱いたまま、何も覚えていない彼女と、出会いから始めることにする。
こういう地味な映画がちゃんと劇場公開されるって、凄い。でも、公開から数週間で消えてしまう。もうどこでも、上映していない。けっこういい映画なのに、もったいないなぁ、と思う。実は数週間前に見ていたのだが、書くのを忘れていた。先日『ワンデイ 23年のラブストーリー』を見て、思い出したのだ。
自分を縛り付ける両親から離れて、実家を飛び出して、自分のしたいことをして生きる。美術学校に通い、偶然、彼と出会い(まぁ、恋なんてそんなもの)愛し合い、結婚する。自由に生きた記憶は全て失ったのに、それ以前のことは覚えている。
彼は、死ななかっただけでも、よかった、と思う。だが、忘れられるのはつらい。彼女は、知らない男性から自分が君の夫だ、なんて言われる。それも、こわい。
だから、ふたりは、もう、もとには戻れない。彼女は彼の知らない昔の従順な「お嬢さま」に戻ってしまう。彼の知っている彼女ではない。拒絶される。でも、あきらめられない。だから、もう一度、最初から出会う。君にもう一度恋ができるなんて、すてきなことだ、と思う。そう思えれるようになるまで、けっこう時間がかかる。当然だろう。大事な思い出をもう共有はできないのだ。その事実は認め難い。
だが、2回も、初めから彼女と生きれるのだ。そう思うと、それはそれでありだな、と思う。思いを吹っ切れることで、「初めて」を受け入れる。それくらいに、彼女のことが好きだった。
とても、さわやかで、気持ちのいい映画だった。見たことを忘れるくらいに。というのは、嘘で、それくらいに忙しかった、という話である。
こういう地味な映画がちゃんと劇場公開されるって、凄い。でも、公開から数週間で消えてしまう。もうどこでも、上映していない。けっこういい映画なのに、もったいないなぁ、と思う。実は数週間前に見ていたのだが、書くのを忘れていた。先日『ワンデイ 23年のラブストーリー』を見て、思い出したのだ。
自分を縛り付ける両親から離れて、実家を飛び出して、自分のしたいことをして生きる。美術学校に通い、偶然、彼と出会い(まぁ、恋なんてそんなもの)愛し合い、結婚する。自由に生きた記憶は全て失ったのに、それ以前のことは覚えている。
彼は、死ななかっただけでも、よかった、と思う。だが、忘れられるのはつらい。彼女は、知らない男性から自分が君の夫だ、なんて言われる。それも、こわい。
だから、ふたりは、もう、もとには戻れない。彼女は彼の知らない昔の従順な「お嬢さま」に戻ってしまう。彼の知っている彼女ではない。拒絶される。でも、あきらめられない。だから、もう一度、最初から出会う。君にもう一度恋ができるなんて、すてきなことだ、と思う。そう思えれるようになるまで、けっこう時間がかかる。当然だろう。大事な思い出をもう共有はできないのだ。その事実は認め難い。
だが、2回も、初めから彼女と生きれるのだ。そう思うと、それはそれでありだな、と思う。思いを吹っ切れることで、「初めて」を受け入れる。それくらいに、彼女のことが好きだった。
とても、さわやかで、気持ちのいい映画だった。見たことを忘れるくらいに。というのは、嘘で、それくらいに忙しかった、という話である。