習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ダイハード4・0』

2007-08-02 17:58:49 | 映画
 12年振りの復活になるらしい。昔ながらのアナログ刑事、ジョン・マクレーンが、ハイパーテロに挑む最新作。ネット犯罪なんていかにもな話だが、さすがによく考えられている。

 都市機能を麻痺させて国家転覆すら可能にするとんでもない奴らに対して、自分の手足だけで(まぁ当然武器は使うが)、立ち向っていく殺しても殺しても死なないダイハードな男、こんな生身の人間なんているはずないが、ブルース・ウィルスが血まみれで演じるとなんだか納得してしまう。世界一ついてない男の面目躍如である。(なんだそれ?)

 ハイテクビル、空港と続いて一度は終わったシリーズをニューヨーク全土を舞台に復活させ、それで封印させるつもりだった。なのに50代になった今、なぜかアクションに目覚めたブルースは(1時期は足を洗ったのに)昨年の『16ブロック』に続き本作に取り組む。彼の中にどういう心境の変化があったのだろう。気になるが今は何も考えず、ただ「凄ぇ」、「凄ぇ」を連発して、スクリーンに釘付けになる。久々にほんとの意味での娯楽活劇を見た。

 今日は映画ならではの迫力を満喫したかったのだ。仕事の疲れを映画で癒すという作戦である。だから、この単純娯楽大活劇はありがたかった。これでこか、これでもかの、身を切り骨を砕くようなアクションの連続技を見ながら感動しながら、ここまでしなくては観客を納得させれないのかと、少し絶望的な気分になった。

 そして、こんなに面白いのに、なぜか見ていて途中から疲れてきた。それにも驚いた。最近の映画は過剰になりすぎて、描写のエスカレートが慢性化してきて、派手な描写が続くと満腹して、ゲップが出そうになる。それって何なのだろう。面白いのに疲れるなんて贅沢だが、なんとなくそんな事が気になる。映画は技術の進歩によって何でも可能になったが、そのせいで何かを失ったのかもしれない。

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