習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『カラオケ行こ!』

2024-01-14 22:19:00 | 映画

あり得ないです。ヤクザが中学生とふたりでカラオケに行く。中学生から歌を教わるために。ヤクザは必ずしも音痴ではなく、もうノリノリで歌うんですが、何故かその中坊を気に入ってほぼストーカー状態。毎日のようにカラオケ行こ、と誘って連れ込む。まぁ怪しいことはしないけど、かなり怖い。さらには仲間のヤーさんもたくさん連れてきてレッスンを受ける。少年は仕方なく彼らに歌唱指導をする。

これはたぶんコメディだろうけど、本気。映画はマジになってふたりのカラオケを聴かせる。まぁひたすら歌うのは綾野剛で少年は最後まで歌わないけど。それだけにクライマックスの彼の熱唱は凄い迫力。
 
山下敦弘監督は相変わらずマイペースだ。こんな破天荒な映画なのに、至ってマジ。無理なく自然体でこの小さな破天荒映画をドライブする。ふざけない。誠実にゆっくりとしたタッチで綴られる。だからそんなバカな、と思いつつも受け入れられる。ふたりの熱い友情物語ではなく、なんとなく出会って気が合う。世代や生きる世界の違いを超えて自然に歩み寄る。(特に中学生)なんだか清々しい。
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小手鞠るい『空と星と風の歌』 | トップ | 『葬送のカーネーション』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。