UーNEXTから出た電子書籍の紙による出版。こんな形にして本が出される時代がやってきたのだな、と改めて思う。まず電子書籍で必要ならば後から本にもする、のか。
たった100ページほどの中編小説である。小一時間あれば簡単に読めるし、文庫に毛が生えたくらいの簡素な本だ。もちろん贅沢な作りの本がいいとかわるいとかそんなことではないけど。
ある会社の代表選挙戦が描かれる。こんな選挙があるなら、結構やる気が出るだろう。会社代表って社長みたいなものなのか? わからない。結構決定権もある社員代表って感じかな。呼び選挙で落選した陣営(うどん陣営)の票を取り込む為の最終選挙に残った2陣営の争いに巻き込まれる社員たちの話。
うどんが大好きで、選挙の時、美味しいうどんを振る舞われるから支持するなんて失礼な支持者。社員100人の投票で決まるから1票の重みは大きい。
よくわからないまま最後まで一気に読ませる。なんとなく始まり、やがて日常が戻ってくる。あまり何も変わらない。ようやくパソコンを買い替えて貰えたが、あまりいい機種じゃない。型落ちした安いもの。代表選挙はまた同じ人が再選した。
今週はエッセイが充実していた。高橋源一郎の『たいてい夫が先に死ね』が楽しい。毎日新聞の人生相談では最近辛辣だが、ここでも好き勝手に書いている。もう自由自在みたいだ。70過ぎたらこういう局地になるのかな。楽しみ。まだ30の武田綾乃『なんやかんや日記』も読んだ。20歳でデビューして10年。京都の宇治から東京に行って、結婚もして絶好調の彼女の日々のスケッチ。これも読んでいて楽しい。まぁそれだけですが。