毎年、この時期、ウイングフィールドで、あみゅーずは公演を打つ。今年も彼女たちが帰ってくる、って感じだ。そんな安心感が彼女たちの作品の魅力。要するに、見るだけで、ほっとする。変わらないことがうれしい。安心して見ていられる。それって、寅さんシリーズのような感じだ。このまま、条さんと笠嶋さんが亡くなるまで(ごめんなさい、縁起でもない)続くといい。そんな気分で今回も見る。
今回のテーマは「みち」。というか、毎回テーマなんて、あったっけ。まるで意識してないから、わからないけど、あったような気も。まぁ、いいやぁ。「みち」と言いながらも、特段目新しいことはない。それどころか、いつも変わらない。
女と男と、恋とトラブル。単純なシチュエーション・コメディ。でも、しんみりさせられるエピソードもある。軽いけど、じっくり見せてくれる。女と男は仕方ないなぁ、と思わせる。浮気(誤解だけど)、不倫(未遂だけど)、心残り(好きだから)。でも、3つの話はそんなキーワードから少しずつはみ出す。お決まりのパターンなのに、ありきたりにはならない。それぞれの人生にとっては、それは特別で、切実。(他人からしたら、それは、どこにでもあるようなお話であろうとも。)
最後のしんみりしたお話ですら、重くはならないのが、いい。離婚したのに今でも好きな人。彼はゲイで、自分のもとを去り、8年が過ぎた。そんな彼から連絡があり、やってくるという。ドキドキする。別れた彼の来訪の目的は何なのか、なんて気にしない。会えるだけでうれしい。そんな女心を条あけみが演じる。相手役は谷本誠。条さんがかわいい。
いずれのエピソードもさりげなくていい。生きていたらいろんなことがあるよね、と思わせる。さらりと流して、明日にむかう、そんな感じ。