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映画・演劇のレビュー

Low Powers『生活と嘘』

2007-03-22 21:56:20 | 演劇
 2、3分からせいぜい4,5分くらいまでのショートコントがとてもテンポよく続いていく。フラットな仕上がりで、さらりと見せるので、70分という上演時間がきっと限界だろう。スマートでスタイリシュに作りたいと思ったから、こういう作り方になったのだろう。よく考えて構成されている。

 へんに力が入ってしまうとベタになってしまってみっともない。そのへんも作り手はよくわかっている。場数を踏んでいるから計算高い。すごいものなんて最初から作るつもりはない。そんなことよりも、いかに上手く見せるか、それだけに心を砕いている。

 こういうタイプのコントは久しく見てなかったから懐かしい。これは昔、織田拓巳と足立健輔がオトナ銀行で盛んにやっていたことだ。今回も彼らのやって来た作品の延長線上にある。

 2人芝居で超ショートショートをどんどん見せていく。とても軽くてセンスがいいので、クスリと笑っているうちに70分が過ぎていく。12人がみんなきちんとスーツ姿でおしゃれしており、でもバカしていて、それがとてもかわいらしい。

 グローブを両手にはめて、「これじゃぁ、野球できないよ」と言うエピソードとか、湯浅崇の気の弱そうな男が恐喝をする話とか、笑える。ナイフを持って、言うこと聞かないと自分を傷つけようとする。

 もちろんどうってことない。そのどうってことない話を、こんなにも心地よく見せるために、これだけの知恵を絞っている。それはそれで感動的だ。

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