これは懐かしい古典映画のリメイク。ではなく、タイトルだけが同じでこちらはホラー映画である。中田秀夫監督最新作。相変わらず清水崇同様彼もホラー街道まっしぐら。だけど、ふたりとも代表作の『リング』『呪怨』を越えらない。仕方ないけど、なんだか悔しくて、ついつい次こそはと期待をかけて見てしまい、いつもガッカリすることになる。
6月に公開した清水崇の『忌怪島』を見て、さすがに新作『ミンナのウタ』はパスしたが、「中田秀夫ももういいか」と思いつつも一縷の望みを繋いでしまうのは彼らがホラーを諦めないからだろう。しかも今回橋本環奈を起用して、何を目指したかも気になる。
ということで、さっそく見てしまったけどこれは酷い。いくらなんでもこんな杜撰に映画を作っていいのだろうか。犯罪的なエグさ。ストーリー自体が壊滅的。この脚本でOKを出したのは誰だ?
美雪を演じたファーストサマーウィカが可哀想すぎる。裸ん坊で暴れる(戦う)なんて、あんまりです。せめて下着くらい着させてあげて頂きたい。貞子はちゃんと白いドレスを着てました。
その怨霊の美雪さんがまるで怖くないのもなんだかなぁと思うけど、全く芸がないのは、どうしたらしい? もちろん橋本環奈も悲惨だ。あの最悪な『バイオレンスアクション』を凌ぐ悲惨さ。こんな映画になぜ出るのか。
冒頭、幸せそうな家族(嘘くさい描写だが)が一転不幸に見舞われる。いきなりの事故死。ここまではまぁ許す。だが、それ以降はすべてダメ。(始まってまだ5分だが)
あの霊媒師が登場した時に、これは悪い冗談だろ、と思った。あり得ないけど、でも本気みたい。ふざけた映画を作っているのではないのならこれは狂気の沙汰だ。こんな展開を許すならせめてバカバカしいコメディ映画にして欲しい。
「エロイムエッサイム」は悪魔くんがメフィストを呼び出す呪文だけど、今回の映画ではなんか笑ってしまう。