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映画・演劇のレビュー

『バッドランド・ハンターズ』

2024-02-28 08:45:00 | 映画

観客から支持されるB級娯楽映画は敏感に時代の気分を反映する。世界が終わった後の世界。大地震から3年。これは『マッドマックス』を思わせる無法地帯となった世界を舞台にしてひとりの少女を守るために戦う男の物語。

 
もちろん主演はメル・ギブソンではなく、これはマ・ドンソクがこの世界に君臨する韓国発のNetflix映画である。今年1月公開された大作映画『コンクリート・ユートピア』の姉妹編らしい。こんなにも同じタイプの作品が同時期に偶然作られるなんてないよな、と驚いたけど、仕組んでいたというのなら納得。
 
だけど、こちらは圧倒的につまらない。マ・ドンソクが暴れるだけのアクション映画だ。イ・ビョンホンではなくマッド・サイエンティストが牛耳る唯一残ったマンション。捕らわれた少女を助けるために乗り込む。話があまりにチープで付き合いきれないけど、見始めた以上仕方ないからラストまで付き合った。
 
こういう終末の世界をサバイブする映画が最近多いような気がする。今ある世界への不安が影響しているのだろうか。今年はまたジョージ・ミラー監督が『マッドマックス』の新作を作っているから彼はどんな世界を描くのかも楽しみだ。日本映画でも竹内涼真主演のTVドラマの映画版『君と世界が終わる日に』が公開中だし。出来れば安易な映画ではなく、確かに時代の趨勢を見据えた映画を見たい。この映画を見ながら、ただのB級ヘボ映画ではない時代の気分を感じさせられた。つまらない映画も必要はある。

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