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映画・演劇のレビュー

『モテキ』

2011-09-22 21:06:45 | 映画
 あのバカバカしいチラシ(なんと、団扇になる!)を見て、笑った。キラキラのデザインで、ノーテンキな図柄。どんだけ笑える映画か、と期待させられたのに、そうはならない。前半はそれなりにテンポもいい。映像に被さる饒舌な主人公のナレーションも心地よい。ミュージカルシーンなんかもちゃんとあり、軽快なのだ。そのまま行ってくれればいいのだが、そうはいかない。映画は後半に入ると、どんどんシリアスになり、最後には重くて暗いものとなる。これには正直騙された! と言うより、驚かされた。こんな映画を見せられるなんて、思いもしなかったからだ。

 全く女にもてない30過ぎの男(森山未来)が、人生で2度目(これはTVドラマの映画化で、その時、瞬間的に彼は1度もてたらしい。というか、テレビシリーズ『モテキ』の続編がこの映画なのだ。だから、2度目!)のモテキに突入する。女からまるで相手にされなかった男が、たくさんの女たちから言い寄られてウハウハになる、という話だとしか、想像できなかったのだが、全くもってそんなことはない。ポスターの4人の女たちだって、彼女たちが彼を追い回すのではない。大体、会社の先輩である真木よう子なんか、彼に恋愛感情なんか一切抱かないではないか。キャバクラ嬢の仲里依紗だって、客である彼の相手をしただけだし。こういうのはモテキとは言わないのではないか。

 全く宣伝から受けるイメージと違う。だが、映画自体は悪くはない。これはルックスとは違って、とても真面目な恋愛青春映画なのである。この手の青春映画って最近なかったよな、と思う。誠実に相手と向き合い自分の気持ちをぶつけていく。ヒロインである長澤まさみへの一直線な気持ちなんて、見ていて気持ちがいい。ただ、麻生久美子が、あまりに痛ましいのはちょっとなぁ、と思う。まぁ、映画の中の話だし、こういう重くて付き合うのはきつい女のひとって現実にもかなりいそうでそれはそれでリアルなのだけど、見ててかなり辛い。


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1 コメント

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Unknown (ラストリゾート)
2011-11-01 14:34:15


モテキ楽しかったです☆

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