どんなお話なのか全く知らないし、そんなことはどうでもいい。ポイントは真田広之がこの映画に出たこと。しかも、アクションをするということ。それだけで、この映画は見るべき価値がある。60代に突入する(した?)彼がハリウッドのアクション映画にメインキャストで参加したのは、それだけで意義がある。どういう形でこの映画とかかわるのかを確認したかった。アクションスターとしてキャリアをスタートした彼がやがてアクションを封印して、さらには、海外に拠点を移し、ハリウッドにも進出する。そんな流れの先にこの映画があるのだとしたら、それが何なのかを知りたいというのはフアンとして当然のことだろう。
期待と不安を抱きながら劇場に向かう。冒頭から登場し、さすがのアクションを披露してくれる。興奮のファーストシークエンスなのだけど、なんとそこで彼が死んでしまうのだ。えっ!と思うところにメインタイトルが。
これで終わりなの、と衝撃が走る。そこからお話は本編に突入。時代は現代(?)になり、でも、そこでは人間と魔界のものとが戦いを繰り広げていて、次の戦いで負けると人間は魔界に支配されるとかなんとかいうようなお話が始まる。選ばれし者たちが、秘められた技を身に着けて魔界と戦う、なんていうようなお話はどうでもよろしい。ドラゴンボールのようなバトルの連続で、見ているぶんには派手で悪くはないけど、お話がしょぼすぎて、退屈してくる。バトルに次ぐバトル。ストーリーはほとんどない。浅野忠信がヨーダのような役で弟子たちを鍛える。目がずっと光っていて笑える。そこからビームでも出てきそうだったけど。
原作が格闘ゲームかなんかで、だからこんな感じになるのは仕方ないのかもしれない。終盤になってようやく真田広之が再登場する。そりゃぁそうだよね。カッコいい。久々の本格アクションなのだが、見ていてドキドキする。さすがだ。彼を見るためだけにこの映画を見ているのだから、それで満足してもいいのだけれど、ほとんど芝居らしい芝居はないのは不満だ。まぁ、彼だけではなくこの映画にはどこにもそういうシーンはないのだけど。
1時間50分、コンパクトにまとまっていてそれなりに飽きささないで終わる。(あと10分長かったら飽きるだろう)真田さんは次はなんとジョン・ウィックに出るらしい。そちらはお話の部分もよろしく。