ジョン・ウーが、台湾の若手監督(スー・チャオピン)と共同で撮った作品。こういうタイプの武侠映画はごまんとあるが、それをジョン・ウーが手掛ける必然性はどこにもない。ぜひ彼でなければならないというものがここにはないのだ。本人にしてみれば、『レッドクリフ』の後の軽い肩慣らしなのかもしれないが、なんか見ていてがっかりさせられる。調べて見るとスー・チャオピンは『シルク』という江口洋介主演の台湾映画でデビューした新人監督で、あの変な映画を撮った人がこの作品を撮るのはわかる。
『フェイス・オフ』のような話(顔を変えるというところだけが、だが)で、こういうのがジョン・ウーは好きなんだなぁ、とは思うが、そこに必然性はない。主人公が顔を変えて違う自分になり、新しい人生を送る、という行為にどれだけのこだわりがあったのかが伝わらないから、これではなんかそれだけのことにしかならない。彼女の気持ちを丁寧に描くのならいいのだが、そういうわけでもないみたいだ。チョン・ウソンの朴訥な青年が彼女に恋をする。でも、うまく気持ちを伝えられない。そんなこんなでちょっとしたラブストーリーになる。だが、あまり感情移入はできない。だってこの映画はそういうタイプの映画ではないからだ。
これはあくまでも武侠映画である。だから、当然派手なアクションはたくさんある。だけど、それが、映画としての高揚感を感じさせない。ストーリーもわかりにくいし、そのくせ複雑なのではなく、ただ乱雑なだけ。いろんなことがてんこ盛りで、結局は何が言いたいのか、よくわからないまま終わる。
映像は美しいし、アクションも華麗で、見ていて退屈はしない。だが、これでは興奮もしない。お話に畳み掛けるような迫力がない。いろんな要素を盛り込みすぎて収拾がつかないのだろう。ミシェル・ヨーは年を取ってしまって昔のようには美しいわけではないが、アクションシーンはやはりさすがだ。しかもチョン・ウソンを相手にしてラブストーリーもしっかり演じる。
後半の3人組が出てくるところから、怒濤の展開になるのだが、それまでの暢気なタッチとの落差があまりに大きく映画自体をぎくしゃくさせる。しかもこの3人組が変だ。あのよくわからないお色気女なんて、なんだったのだろう。わけがわからない。ショーン・ユーもなんでこんな映画にこんな役で出たのやら。いろんな意味で下手な映画である。だが、その下手さが、なんかよくわからないけど、作者のねらいのような気もする。でも、それって独りよがりでしかないけど。ここでいう作者というのはもちろんジョン・ウーではなく、スー・チャオピンの方である。でも、ジョン・ウーもバランスを崩した映画を何本か撮ってるし(たとえば『ハードボイルド』とか)どっちもどっちか。
『フェイス・オフ』のような話(顔を変えるというところだけが、だが)で、こういうのがジョン・ウーは好きなんだなぁ、とは思うが、そこに必然性はない。主人公が顔を変えて違う自分になり、新しい人生を送る、という行為にどれだけのこだわりがあったのかが伝わらないから、これではなんかそれだけのことにしかならない。彼女の気持ちを丁寧に描くのならいいのだが、そういうわけでもないみたいだ。チョン・ウソンの朴訥な青年が彼女に恋をする。でも、うまく気持ちを伝えられない。そんなこんなでちょっとしたラブストーリーになる。だが、あまり感情移入はできない。だってこの映画はそういうタイプの映画ではないからだ。
これはあくまでも武侠映画である。だから、当然派手なアクションはたくさんある。だけど、それが、映画としての高揚感を感じさせない。ストーリーもわかりにくいし、そのくせ複雑なのではなく、ただ乱雑なだけ。いろんなことがてんこ盛りで、結局は何が言いたいのか、よくわからないまま終わる。
映像は美しいし、アクションも華麗で、見ていて退屈はしない。だが、これでは興奮もしない。お話に畳み掛けるような迫力がない。いろんな要素を盛り込みすぎて収拾がつかないのだろう。ミシェル・ヨーは年を取ってしまって昔のようには美しいわけではないが、アクションシーンはやはりさすがだ。しかもチョン・ウソンを相手にしてラブストーリーもしっかり演じる。
後半の3人組が出てくるところから、怒濤の展開になるのだが、それまでの暢気なタッチとの落差があまりに大きく映画自体をぎくしゃくさせる。しかもこの3人組が変だ。あのよくわからないお色気女なんて、なんだったのだろう。わけがわからない。ショーン・ユーもなんでこんな映画にこんな役で出たのやら。いろんな意味で下手な映画である。だが、その下手さが、なんかよくわからないけど、作者のねらいのような気もする。でも、それって独りよがりでしかないけど。ここでいう作者というのはもちろんジョン・ウーではなく、スー・チャオピンの方である。でも、ジョン・ウーもバランスを崩した映画を何本か撮ってるし(たとえば『ハードボイルド』とか)どっちもどっちか。