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映画・演劇のレビュー

『ある閉ざされた雪の山荘で』

2024-04-09 11:28:21 | 映画

監督が飯塚健だから少し期待した。でも原作があの東野圭吾だし、評判も悪いし、きっと話に破綻だらけでだめだめかもしれない。(もちろん原作は未読)

不安だらけではあるけど、配信だから見ることにした。それにしても早い。この1月に公開されたばかりの映画がもうAmazonから配信がスタートしているのだ。これって昔の劇場公開から2番館上映というパターンよりも早いのではないか。

一応終盤までそれなりには緊張が持続する。ただ最初の目的場所までのバス移動での目隠しはなんだかなぁ、と思う。だが、犯人探しも推理もよくできているかも、とも思う。3日目まではギリギリ悪くはないか、と思うけど、最終日の謎解きでつまずく。後出しじゃんけんのような展開はずるいし、納め方も甘い。3重構造とかいうけど、偶然のフォローも含めて、がっかりさせられる。演出家は関与していないはずはないのにそこをスルーするってなんだかなぁ、である。すべては座長である演出家のさしがねという事でいいじゃないか、と思う。

役者は嘘を本当として演じてなんぼ、というセオリーですべてを収めるなら、演出もそうであって欲しい。舞台劇としてのリアルと映画としてのリアル。その違いも含めてうまくすべてを収めて欲しかった。不在の演出家の演技まで監督はちゃんとリードする必要がある。春の開かれた山荘で閉ざされた雪山の山荘を演じるということをもってうまく描けたならよかったのだが。それもない。やはり飯塚監督でも東野圭吾は難しかった。


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