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映画・演劇のレビュー

『ゆとりですがなにか インターナショナル』

2024-10-25 00:08:00 | 映画

よくあるTVドラマの劇場版である。ただしこれは今最も輝いている宮藤官九郎の脚本。さらには水田伸生の監督作品。このふたりのコンビの映画はいつも悪くないから期待した。ただオリジナルのTVシリーズは全く見ていないから一見さんでも大丈夫かと少し心配したが、やはり一見さんはお断りっぽい映画でした。いやぁ、参った。だけど気にしないで見ることに。

ゆとり世代を主人公にしたコメディから7年。30代になった主人公たち3人組のその後が描かれる。人間関係がまるでわからないけど勢いで見せられる。前半はテンポがいいし笑える。だけど、後半になるとだんだん疲れてくる。さりげなく描かれるゆとり3人とゼロ世代若者の飲み屋でのやり取りの先が見たかったけど、そこもただのワンエピソード。これでは短編コメディコントの域を出ないのが惜しい。これならTVスペシャルでいい。独立した今を描く映画として提示する意味はない。
 
最後のちゃんちゃん、って感じの終わり方にはガッカリした。夫婦円満はいいことだけど、やがて、アメリカみたいな多民族国家になる日本を予見する、同時に国際社会になる(インターナショナルだもんね)世界の中にいる日本をしっかり描いて欲しかった。軽い笑いに包んで、ね。

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