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映画・演劇のレビュー

『グリーンランタン』

2012-04-24 22:55:13 | 映画
 僕はこのたわいもないアクション映画を支持する。これは決して悪くはない映画だ。先日張り切って見たこのGW公開の大作映画である『バトルシップ』と『ジョンカーター』にはがっかりさせられたのだが、劇場公開時には観客からも無視され、僕も見逃していたこの地味な大作映画が実は思わぬ拾い物だったのだ。なかなかハリウッド映画も奥が深い。

 この安っぽいヒーローものが、実はその安っぽさゆえ、自らの矜持をきちんと守り、しっかりとマーブルコミックの伝統を踏まえた大作映画として、地に足の付いた作品として、成立していたことに驚いている。超大作『スパイダーマン』にも引けを取らない。やっぱり映画ってどんなものでも自分の目で確かめなくてはわからないものだ。『アイアンマン』はともかくとして、ケネス・ブラナーが挑戦した『マイティーソー』に、あんなにも失望した後だったので、この遅れてきた3D大作にはまるで期待しなかった。そこもよかったのかもしれない。『スパイダーマン』ほど暗くはなく、『マイティソー』ほどノーテンキでもない。ちょうどいいバランスをたもっている。コスチュームは最悪だが、それはきっと日本人とアメリカ人の意識の差なのだから目を瞑ろう。

 バカな青年が不思議な力を身につけて、世界の平和のために戦う、という、もう手垢の付いたストーリーで、書くのもおっくうなのだが、派手な見せ場で引っ張っていくのではなく、主人公の3人の少年時代からの確執を延々大人になっても見せ続け、それだけで2時間の映画にするという無謀さが楽しい。これは三角関係のもつれを描く恋愛ものなのだ。そういうありきたりな青春映画の側面がしっかりと踏まえられてあるから、これはおもしろいのだ。

 宇宙を舞台にした壮大なスケールのSFX大作なのだが、でも、ただの痴話喧嘩。バカバカしいにもほどがある。こんなバカをグリーンランタンの一員に迎えるなんて大丈夫なのか? しかも、このバカは彼女の所に行って、自分の力を見せつけて「どう、僕凄いでしょ」なんて言うのだ。いいのか、こいつで? 宇宙の平和はきっとこいつでは守れないと思う。



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1 コメント

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グリーンランタンは (音間哲)
2012-04-26 19:31:00
マーベルではなく、DCコミック出身です。
…くらいの知識はある、アメコミファンの音間哲(第2劇場)でした。
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