『蒼天、神を殺すにはいい日だ』
なんともこれは大胆なタイトルではないか。しかもいきなり最初から神殺しのシーンである。直球勝負をかけてくるのか、と思ったら、さにあらず。断片的なエピソードを、並べていく。『ハムレット』を題材にしたエピソードや、小宮山という男を巡る本題のお話も含めて、最終的にはトータルなイメージを伝えるにとどまる。イメージの先にある本来の作品世界は11月にアイホールで上演される本公演を待たねばならないのだろう。
だが、これはただのプレビューではないはずだ。ここで提示されたいくつものイメージの連鎖は、単なる「トライアウト」にとどまらず、このなんとも言えない淡い世界を指し示す。これはこれでひとつの完成形ではないかと思う。本公演では全く別の同じタイトルの作品が生まれることになっても驚かない。それは昨年の『プロ倫』と、『無神論者は幽霊を見ない』の違い以上のものになる可能性すら感じさせる。同じ題材を使ってまるで別のアプローチを見せる作品を連作するなんて、土橋くんは本当に実験精神旺盛だ。
単純な舞台装置もいい。中央の棺桶(死体を入れるための墓穴にもなる)である。ただそれだけなのだが、それがなんとも象徴的でいい。さらに、そのなかにはたくさんの衣服がある。それらの服は、砂の替わりとして描かれてあるのだが、なぜそれが衣服なのか、を考えるのも楽しい。そこにも何か象徴するものがあるのだろうか。(僕はなんとも思わないで見たのだが、一緒に見ていた松岡さんが「なぜ衣服なんでしょうか?」と終演後聞いてきたので、なんだか、気になってしまったのだ)さまざまな謎をちりばめて、このとても静かな1時間ほどの芝居は描かれる。
なんともこれは大胆なタイトルではないか。しかもいきなり最初から神殺しのシーンである。直球勝負をかけてくるのか、と思ったら、さにあらず。断片的なエピソードを、並べていく。『ハムレット』を題材にしたエピソードや、小宮山という男を巡る本題のお話も含めて、最終的にはトータルなイメージを伝えるにとどまる。イメージの先にある本来の作品世界は11月にアイホールで上演される本公演を待たねばならないのだろう。
だが、これはただのプレビューではないはずだ。ここで提示されたいくつものイメージの連鎖は、単なる「トライアウト」にとどまらず、このなんとも言えない淡い世界を指し示す。これはこれでひとつの完成形ではないかと思う。本公演では全く別の同じタイトルの作品が生まれることになっても驚かない。それは昨年の『プロ倫』と、『無神論者は幽霊を見ない』の違い以上のものになる可能性すら感じさせる。同じ題材を使ってまるで別のアプローチを見せる作品を連作するなんて、土橋くんは本当に実験精神旺盛だ。
単純な舞台装置もいい。中央の棺桶(死体を入れるための墓穴にもなる)である。ただそれだけなのだが、それがなんとも象徴的でいい。さらに、そのなかにはたくさんの衣服がある。それらの服は、砂の替わりとして描かれてあるのだが、なぜそれが衣服なのか、を考えるのも楽しい。そこにも何か象徴するものがあるのだろうか。(僕はなんとも思わないで見たのだが、一緒に見ていた松岡さんが「なぜ衣服なんでしょうか?」と終演後聞いてきたので、なんだか、気になってしまったのだ)さまざまな謎をちりばめて、このとても静かな1時間ほどの芝居は描かれる。