こんな芝居があるなんて知らなかった。こんな劇場(たぶん、一応)も知らなかった。冨田倶楽部はほぼ毎月1本お芝居を上演している。この4月から来年春までの1年間に10本の公演をする予定らしい。凄い、と思う。たぶん軽い気持ちで酒の席のおしゃべりから始めたのかもしれないが、もう今回で第11回集会となる。参加者(加盟者)は18名。「メンバー不確定、作風未確定」と当日パンフにはある。
先日偶然久々に石田1967さんに会った時、「断然お薦めです。ぜひ見てください!」と言われたので、見に行くことにした。劇団ショウダウンのナツメクニオさんの芝居を見るのも久しぶりだ。(もちろん林遊民さんの出る芝居も)
淡路から徒歩10分、魅殺陣屋スタジオ。初めて行く。JR淡路から行ったけど、勘違いして迷子になって焦った。余裕をもって駅には早く着いたけど、ギリギリになる。
シンプルな舞台。照明も蛍光灯だけ。マンションの一室という設定だから、これで充分だ。役者たちは色Tシャツの胸にゼッケン。男1、女1、っという風に。とことんシンプルを貫く。無理せず自由に芝居を楽しむ。そんな姿勢が感じられる。
サラリーマンの男(男1)が帰ってくると3人の見知らぬ男女が鍋を食べようとしていた。彼らはここで死んだ幽霊らしい、というところから始まる。50分の芝居はとてもテンションが高く、元気いっぱいの芝居。見ていて楽しい。たわいない怪談話だけど、楽しい。怪談だから怖いほうがいいけど、これは軽くて楽しい。みんな死んでるのに。
それからせっかく淡路怪談とタイトルに淡路を入れたのだから、この町を舞台にした芝居であった方がいい。淡路を舞台にした怪談話を見たかった。それがこのトミタビルでもいい気がする。だってこれは冨田倶楽部なのだから。
僕はいろんな芝居があっていい、と思う。その方が楽しい。彼らは軽いタッチで楽しめる芝居を毎月作り続ける。1年に10本。それはすごいことだ。もちろん来月には12回集会がある。