なんとマイケル・マンである。『ヒート』『コラテラル』といった骨太の大作映画を手掛けてきた彼がこのTVシリーズのスタートとなる第1話を監督した。2020年、コロナ禍の東京でロケした超大作TVシリーズ。なんと製作費88億円。1999年の東京、新宿を舞台にして外国人初の新聞記者になったアメリカ人青年が取材を通してヤクザ社会の闇にハマり込んでいく姿を描く。リドリー・スコットが大阪を描いた『ブラックレイン』を彷彿させる。
第1話を見ながらこの凄まじい緊張感に呑まれた。事前情報はまるで入れてなかったから痺れた。こんなレベルのドラマを監督したのは誰だ?と思いラストクレジットを見たらマイケル・マンと出てきたのである。納得だ。さすがに残念だが、2話からは監督は彼ではないけど、この先が期待できるドラマシリーズである。
20世紀末の東京の夜の闇。ヤクザ戦う日本の新聞社に入った主人公ジェイク。彼を『ウエスト・サイド・ストーリー』のアンセル・エルゴートが演じる。
ドラマは彼の孤軍奮闘の戦いを描く。渡辺謙がそんな彼のサポートをする。お話はまだ本格的には始まらないけど、ここから7話でどんな展開を見せるのか楽しみだ。
すでにシーズン2も完成し配信も決まっているらしい。大手新聞社の日本人の中にただひとり所属するアメリカ人という立ち位置。その中でヤクザと戦う姿をどれだけリアルに描けるのか。今から20年前の東京をどれだけ再現して、巨大な都市東京で生きるアメリカ人をリアルに見せるのか。いろんなことが楽しみな作品である。