こういうかわいい軽い青春小説を読みたい、と思った、わけではない。毎日しんどいことばかりで、クタクタだけど、それを一瞬でも忘れさせてくれるようなものを読みたいけど、仕事の延長のような高校生のお話は今は堪忍してほしい、という気分だったからだ。
たまたま新刊コーナーに置いてあったので借りた。読みやすくて楽しかった。楽しいのは、いい。不本意な高校に入学して、うまく学校になじめない少女が主人公。たまたま勘違いからバイトの面接を受けることになり、そのまま、働くことになった。チェーン展開しているファーストフードのハンバーガーショップ(当然それはマクドナルドみたいな)が舞台となる。ドジで間抜けな女の子、とかいう昔懐かしいヒロインの恋と学園生活が描かれる。
電車の1日の往復で1冊読めるくらいの読みやすさ。(小一時間で200ページ強の分量が可能)口当たりのよさ。ありふれたお話でなんの新機軸もないけど、でも、それでいい。ありきたりのお話でも、彼女の小さなお話はひとりの女の子の素直な気持ちがちゃんと描かれてあるから、気持ちいい。
続けて2冊目の『恋とポテトと文化祭』も読んだ。こうなると、完結編の『恋とポテトとクリスマス』も読もうと思う。定番のような3部作連続刊行。この少女の1年間のお話を見守りたい。