とうとう『ハンガーゲーム』が完結した。もともとこの映画を見る気はなかったのだが、1作目はたまたま時間が合うから見た。(芝居を見るまでのつなぎとして、その日うまく嵌ったのだ)もちろん、深作欣二監督の『バトルロワイヤル』のパクリのようなお話には少し興味はあった。アメリカ映画はここまで露骨に同じような話で映画を作るって何なんだ? という興味だけど。
ただ、見終えたときには、もういいわ、と思ったのも事実だ。全米で大ヒット、という常套句(もちろん、嘘じゃなくちゃんとヒットしたのだろうけど)に踊らされて日本でも、ヒットと、いう図式は今の時代成立しない。と、いうことで、この映画は日本ではまるで成功しなかった。しかし、アメリカでは3部作として公開が決定、その後続々と続きが公開された。しかも、お話は安易な続編ではなく、最初から壮大なドラマで、1作目は序章でしかなかった、というのだ。と、いうのも、まぁ、最近流行のパターンなのだが。
なんとなく、仕方なく流れで3作目まで見てしまったので、ここで完結編を見ないわけにもいかず、ついつい初日に劇場に向かう。(なんだかんだいって楽しみにしてるじゃん)3部作の完結編が前後編の2部作になっている、というこれまた最近はやりのあざといパターンだ。しかも、この6月公開の『FINAL レジスタンス』は、まるでお話のない2時間の予告編とでもいうような映画だった。あれを見てこれを見ないわけにはいかない。商売上手に乗せられてまんまと劇場に通う。
ただ、この映画はこんな戦争映画になるなんて、最初は思いもしなかった。近未来の独裁国家。民衆の戦争への渇望を逸らすために仕込まれた疑似戦争がハンガーゲームだ。その犠牲者が、反乱軍とともに戦うという図式。だが、反乱軍も、結局は新しい独裁者を生むだけ。主人公のカットニス(ジェニファー・ローレンス)はその戦いに終止符を打つ。
どこまで激しい戦場を見せるのか。それもまた、ゲームにして、独裁国家は反乱軍を鎮圧する、はずだった。ラストのスノー大統領との面会シーンが、なかなかよくできている。結局は同じ。
ただ、最後まで見て思うのは、あまりに安易なお話で、壮大なスケールで語るほどの内容を持たない空疎な映画を大予算で、スペクタクルにして見せるのは、どうだか、という感想だ。描かれる世界観もあまりにチープ。アメリカ人はこういうレベルの映画に熱狂するのか。
先日の『メイズランナー』や『ダイバージェント』も最初から3部作だった。1本だけで完結したなら、それなりに面白い映画になったのかもしれないのに、アイデアを引き延ばすことで、つまらないお話になりそうだ。(さすがに、これらは1作目だけで辞めた)大した話ではないのに、それを引き延ばすことで、さらにつまらないものにする、というのがパターンである。まぁ、日本映画のTVで最初をやって、最後は劇場版で、という究極のつまらないパターンよりはましかもしれないけど、どこの国も、つまらないものは、同じパターンに終始する。この12月にスタートする『スターウォーズ』の新シリーズはこの轍を踏まないで欲しい。