まだ若い監督(ルー・ヤンという人だ。メイキングを見たら、30代くらいに見えた。)が、こういう大作映画の監督に大抜擢され、チャンスをものにして、このとても困難な仕事を「無難」にこなしていく。中国映画は今、活況を呈している。こういう大予算のアクション超大作が盛んに作られ、ちゃんとヒットする。映画がまだ、娯楽の王様なのだろうか。でも、こういうハリウッドばりの活劇ばかりでは飽きないか? きっとそろそろ、飽きられるはずだ。その時、次に何が出てくるのか。そちらのほうが気になる。
まぁ、取り合えずは、まだまだこの活況は続くのだろう。台湾からチャン・チェンを主役に迎え、2時間アクションの連続技。お話は単純そうに見えて、人間関係はなんだか複雑だけど、実はどうでもいい。明王朝の凋落と、その犠牲になる3人の男たちのドラマ。陰謀に巻き込まれて、権力闘争の犠牲になるのだが、そこを乗り越えていく、というよくあるパターン。恋あり、策略あり、のテンコ盛り。できるなら、もう少し上手くお話を展開したならば、もっとドキドキするのだろうけど、なんだか、もたもたする。納得のいかない展開で、退屈。派手なアクションだけではなく、人間ドラマとしてちゃんと作ると、面白いのではないか。
主人公3人の義兄弟が、助け合い、危機を乗り越えていくさまが描かれる。さまざまな陰謀が張り巡らされているようなのだが、なんか、話が杜撰で、イライラするばかりだ。こういう話はもっと緻密にストーリーを作るべきだ。特に主人公のチャン・チェン演じる男がなんだか間抜けでせっかく彼が頑張るのに、空回りする。
だけど、きっとそういうのはきっとここには求められてはいないのだろう。単純な勧善懲悪だけでいい。どうでもいいような娯楽活劇アクション映画。それでいい、のだろう。