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映画・演劇のレビュー

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』

2015-07-13 20:20:17 | 映画
単純に一番楽しみにしていた映画だ。そりゃぁ、不安もいっぱいある。前作を見た時、楽しかった。でも、こういうのは一度限りのことではないか、とも思った。前作を超えなくてはならないというプレッシャーと、反対にマンネリ化。どちらも充分ある。そんな中で、過剰な期待を跳ね返すだけのものを作らなくてはならない。

 で、映画は単純におもしろかった。だが、やはり、僕はもうムリだ、とも思う。冒頭からアベンジャーズが総力戦。あっと驚く派手なアクションの連打! つかみとしては最高だろう。そして、お話の本題に入っても、よく練られてある。彼らがまったりとする日常のシーンも充実。休日のヒーローたちをちゃんと見せてくれる。そして、ウルトロンである。人工知能が暴走するというよくあるパターンなのだが、こういう形で最強の敵を自分たちが作り出す。(作ったのは、アイアンマンで、だから自分がなんとかする、とトニー・スタークは言うんだけど)

それぞれの見せ場を作り、でも、テンポよく見せ、ダレささない。2時間20分、緩急つけて一気に見せる。大満足、と言いたいところだ。だが、なんだか疲れた。楽しいに疲れる、って不思議な話ではないか。ここにはお話としての奥行きはない。定番のストーリーをなぞって、楽しませるばかりだ。サービス精神旺盛で、みんなを楽しませる。娯楽の王道をいく。

すべてが予定調和なのである。新キャラクターも登場する。いつものメンバーは欠席なしで、ちゃんと顔を揃える。ショートリリーフも含めて、そつがない。

ロバート・ダウニーjr.は、すっかりアイアンマンが板に付き、ひねくれたヒーローをしっかりこなし、堂々の主演だ。性格俳優の彼がみんなのヒーローをこんなにも何の違和感なくこなす。しかも、それが嫌みじゃない。

アトラクションとしては、満点の出来だ。だが、僕たちは映画が見たい。もちろん、それなら他の映画を見ろ、とお叱りを受けることは必至だ。ないものねだりだ、とも言われそうだ。無邪気に楽しんだならいい。わかっているけど、あまり無邪気にはなれなかったことも事実だ。作り手が、商売に徹している気がした。自分たちはあまり楽しそうに見えない。プロだから、当然だろ、と言われたら返す言葉もないけど。なんだかなぁ、と思うのだ。

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