こうこなくっちゃ、と快哉を叫ぶ。『アベンジャーズ』の不満はここにあるのだ。僕はまずお話。どんな凄い映像を見せられても、すぐに飽きる。貪欲にもっと凄いものを見せろ、と観客の欲求はエスカレートするばかりだ。しかも、その期待に応えても、あまり喜ばれない。作り手の苦労なんか観客は顧みないばかりか、さらにハードルを上げてくる。際限ない。必要なことはそこではないと、この映画は教えてくれる。
思い起こせば、最初の『ターミネーター』を見たのは、劇場公開前の試写会だったのだ。SFアクション映画なのだろう、という程度の認識で、何の期待もしないまま、見始めた。冒頭の未来の場面のあまりのしょぼさに、失笑した。期待は出来ないな、と思った。だが、なんのなんの。お話が始まったところからは、一瞬のこと。あれよ、あれよ、という間にラストまで、ジェットコースターだ。ラストでは拍手していた。1時間47分である。怒濤の面白さ。ただただおもしれぇ、と思った。ジェームス・キャメロンはこの1作で、無条件で信用できる監督になった。シュワルツェネッガーもスターになった。
あれから30年。復活である。第2作の続編だ。そういう意味でも『マッドマックス』と同じだ。30年というスパンも含めて。キャメロンによる『ターミネーター』2部作の正統的な血をひく作品である。キャメロンのお墨付きもある。(『3』も『4』も僕は好きだが、あれらを無視してこの作品はある)
そして、まずこれは何よりも第1作の裏バージョンなのだ。84年にやってきた側から、あの時の出来事を描く。しかし、微妙に事実は変化している。というか、もう全く違うではないか。そんなバカな、と世界である。そんな中で、新事実をちゃんと咀嚼しながら、目の前のとんでもない事態と向き合い、命からがら立ち向かう。ドキドキハラハラの展開だ。
要するに僕はこういうちゃんとした「お話」が好きなのだな、と思う。先の読めない展開に翻弄されながら、思いもしない地平へとどんどん連れて行ってくれる映画。それが心地よいリズムで語られていくことが大事。そういう意味では『トゥモローランド』はいささかやりすぎた。『マッドマックス 怒りのデスロード』は淡泊すぎた。そして、このくらいが一番適当だと思った。こういうのが娯楽の王道なのだと思う。
いろんなところの説明も心地よい。説明がちゃんとお話に説得力を生むのがいい。説明のための説明にはならない。お話を先に押し進めるための原動力になる。たとえば、なぜ、シュワちゃんがロボットなのに、老けていくのか、とか。実にたいしたことがないのに、ちゃんと納得させるし、それが作品世界を豊かにする。どんでん返しの連打も、心地よい。もちろん、これをしてSF映画の金字塔とか、大絶賛する気はさらさらない。だが、期待にたがわぬ作品だということは、事実なのだ。もう僕はそれだけで充分だ。大満足の2時間。なんと第1作を見た時のような感動をさせてくれたのだ。驚きである。
思い起こせば、最初の『ターミネーター』を見たのは、劇場公開前の試写会だったのだ。SFアクション映画なのだろう、という程度の認識で、何の期待もしないまま、見始めた。冒頭の未来の場面のあまりのしょぼさに、失笑した。期待は出来ないな、と思った。だが、なんのなんの。お話が始まったところからは、一瞬のこと。あれよ、あれよ、という間にラストまで、ジェットコースターだ。ラストでは拍手していた。1時間47分である。怒濤の面白さ。ただただおもしれぇ、と思った。ジェームス・キャメロンはこの1作で、無条件で信用できる監督になった。シュワルツェネッガーもスターになった。
あれから30年。復活である。第2作の続編だ。そういう意味でも『マッドマックス』と同じだ。30年というスパンも含めて。キャメロンによる『ターミネーター』2部作の正統的な血をひく作品である。キャメロンのお墨付きもある。(『3』も『4』も僕は好きだが、あれらを無視してこの作品はある)
そして、まずこれは何よりも第1作の裏バージョンなのだ。84年にやってきた側から、あの時の出来事を描く。しかし、微妙に事実は変化している。というか、もう全く違うではないか。そんなバカな、と世界である。そんな中で、新事実をちゃんと咀嚼しながら、目の前のとんでもない事態と向き合い、命からがら立ち向かう。ドキドキハラハラの展開だ。
要するに僕はこういうちゃんとした「お話」が好きなのだな、と思う。先の読めない展開に翻弄されながら、思いもしない地平へとどんどん連れて行ってくれる映画。それが心地よいリズムで語られていくことが大事。そういう意味では『トゥモローランド』はいささかやりすぎた。『マッドマックス 怒りのデスロード』は淡泊すぎた。そして、このくらいが一番適当だと思った。こういうのが娯楽の王道なのだと思う。
いろんなところの説明も心地よい。説明がちゃんとお話に説得力を生むのがいい。説明のための説明にはならない。お話を先に押し進めるための原動力になる。たとえば、なぜ、シュワちゃんがロボットなのに、老けていくのか、とか。実にたいしたことがないのに、ちゃんと納得させるし、それが作品世界を豊かにする。どんでん返しの連打も、心地よい。もちろん、これをしてSF映画の金字塔とか、大絶賛する気はさらさらない。だが、期待にたがわぬ作品だということは、事実なのだ。もう僕はそれだけで充分だ。大満足の2時間。なんと第1作を見た時のような感動をさせてくれたのだ。驚きである。