福田雄一監督最新作。あきれるくらいにバカバカしい設定がいかにも彼らしい。全く期待することなく、まぁNetflixオリジナル映画だし、橋本環奈が赤ずきんちゃんだし、で何も考えずに見始めたが、5分で「これはダメだわ、」と思う。何度となく、やめるためにリモコンを手にして止めたけど、勇気がなくて、また続きを見てしまった。僕は自分が見たいと思って見始めた映画を途中で止めることが出来ないのだ。結局どこにこの話を落とし込むのかも気になって最後まで見た。
結果的に、これはあの『新解釈 三国志』以上にエグい映画だった。よくもまぁこんな思いつきのような安易な映画を作ったものだ。役者たちもよく付き合った。あり得ないことだ。新木優子なんて自分がこんな役だと知ってたのか。(台本は読んでいるだろうから、知っているわな)子どもの学芸会でも台本はもう少しマシだと思う。しかも、学芸会は20分くらいで終わるけど、この映画は100分以上ある。
橋本環奈は役を選ばないみたいだ。オファーされたら、もれなく引き受けてくれるという噂を聞いた。確かになぁと思う。これを引き受けるなんてかなりの強者だ。2時間を見るだけでもこんなに人生の無駄遣いだと思うのに、これを作るとなるとさすがに何週間かは拘束されたはず。撮影は楽しかったのならそれはそれでいいけど。
捻りもなく、一応は推理ものみたいだけど、そこにもなんの意味もなく、虚しい。赤ずきんである必然性もなく、シンデレラのストーリーをなぞりながら、くだらないことを繰り返す。こんな映画に時間とお金を注ぎ込むなんて、あり得ないことだ。そんなあり得ないことに付き合った僕や橋本環奈は凄い。