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映画・演劇のレビュー

『セントアンナの奇跡』他

2010-04-24 23:16:06 | 映画
 『セントアンナの奇跡』は3時間近くに及ぶ大作映画だ。そして、あのスパイク・リーの新作だ。だが、なんだかいまいち乗り切れない。そりゃ、もう彼も若くはないのだから、昔のような怒りに身を任せた映画はもう撮らないのかもしれない。に、してもこの歴史大作というのはどうか? 

 衝撃的なオープニングは彼らしい。いきなり郵便局員が窓口で温厚そうなお客の額を銃で打ち抜く。話はそこから始まる。描かれていくのはそこから40年程遡った戦時中のイタリアでの出来事だ。黒人だけの部隊が、ナチス制圧下のイタリアを行く。そこで出会った出来事が描かれていく。残酷なシーンも生なままで出てくる。白人の黒人差別とか、確かに描かれていく。だが、それが重厚な音楽のもと流れるように描かれると、ただのお話にしかならない。


 『キング・コーン』にはあきれた。せっかくドキュメンタリーに嵌ろう、と借りてきたのに、これを見ればもうドキュメンタリーはいいよ、と思ってしまう。『マン・オン・ワイヤー』は確かに特別だから比較してどうこういうつもりはない。だが、この題材で、これだけ鳴り物入りで劇場公開された映画が、ここまでしょぼいのでは、がっかりだ。2人の男が、とうもろこしの秘密を探るために旅に出る、という話自身は悪くないと思うのだ。だが、ここまで話が広がらないようでは、退屈する。農作業に従事するのはいいことだが、あんたたちはまず映画を作ってるんだよ、だからおもしろいネタをみつけてきてね。せめてマイケル・ムーアのように、扇情的なまでの突撃レポーターであって欲しい。まぁ、マイケル・ムーアは一人いたら充分だが。

 
 『大洗にも星はふるなり』のスピンオフを間違ってレンタルしてしまった。本当にバカだ。本編だと思い借りてきたら、40分ほどの短編集だった。しかも、バカな映画だし。くだらないことを、淡々と見せていくだけ。山田孝之がバカずらで、この人こんなんだったっけ、と驚かされる。さすが役者だ。それにしても、レンタルするときは、ちゃんとパッケージを読んでからにしましょう。

 まぁ、バカはバカなりに楽しめたけど。(本編はまだリリースされてなかった。この5月下旬発売になるらしい。)


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