待ちに待ったクリストファー・ノーラン監督の大作映画が日本でも公開された。昨年夏台湾に行った時、劇場で公開されていた。日本では公開未定だったから見たかったけど、当然日本語字幕はないから断念した。
ようやく見ることが叶う。もちろん昨年に字幕なしで見なくてよかった。きっとまるで理解出来なかったはずだ。だいたい字幕があっても早いテンポについていくのがやっとだった。3時間の大作である。しかも会話劇。後半は公聴会のシーンが延々と続く。単調。これを中国語字幕だけで見るなんて無謀だった。
さて、期待の映画だが、あまり面白くない。前半の原爆を作るまではかなり面白くて、身を乗り出したけど、クライマックスの実験の成功シーンから徐々に乗れなくなっていく。ナチスの敗退から広島,長崎への投下。もちろん実際の戦場は描かれない。これは戦争を描く映画ではないからだ。だけど原爆投下により凄まじい数の民間人が犠牲になっていく。それをアメリカ人たちは狂喜してブラボーと手を叩く。そしてオッペンハイマーは時の人になる。映画はここまでである。
その後、延々と続く公聴会のシーンは退屈だ。彼が水爆に反対したこと、共産党支持者だったことから追い詰められていく過程はそこまでの映画とは違い、地味で重苦しい。もちろんやりたいことはわかるけど、見るのはしんどかった。