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映画・演劇のレビュー

『呪怨 ザ・ファイナル』

2015-07-26 21:30:35 | 映画
清水崇監督の生んだ最高の恐怖。最初の劇場版(2002年)を見た時の衝撃は忘れられない。心から怖いと思った。理由もない恐怖がどこまでもやってくる。逃げ場はない。そのあと、すぐに後追いでオリジナルビデオ版の2部作も見た。確かにこれは怖い、と思ったが、最初のインパクトが大きすぎた。

夏は怪談映画というのが、昔ながらの定番のはずなのが、今の時代はもうそういのは関係ないようだ。そんな時代だからこそ、たまたま、今、上映中のこの映画をちょっと見てみよう、という気になった。まぁ、ちょっとした気まぐれだ。だいたい、今回の作品はもう清水崇の手を離れている。落合正幸っていうのはなんだかなぁ、なのだが。

1999年からスタートしたこの『呪怨』シリーズは、オリジナルビデオの静かなブームを受けて、劇場版2部作、ハリウッドの3部作と続き、中編2作セット作を経て、今回の2部作になる。どれだけ増殖するのやら、もう際限がない。監督が落合正幸に変わり、幾分マイルドになったし、いつも同じアイデアなのでさすがに飽きるけど、それでもやっぱり見てしまう。佐々木希主演の前作『終わりの始まり』を受けて、今回の平愛梨の『終わりが、終わる』で、ようやく終焉を迎える。よかった、よかった、と思う間もなく、なんと!

映画のラスト、とんでもないものを見せられることになる。なんと、である。次は『貞子VS伽耶子』なのだ。なんて、こったぁ、と思った。もうこの世界はなんでもありだな、と思う。『フレディーVSジェイソン』ってのが、昔あったけど、あんな感じですわ。『バットマンVSスーパーマン』とか、『デビルマンVSサイボーグ009』とか、これから公開される夢の饗宴が僕にはただの悪夢にしか思えない。もうひたすらお客を呼べるのならばなんでもありの無節操。世も末だな、と思う。

映画自体の話よりも、そっちの方が怖いって、なんだかなぁ、である。今回の作品のクレジットを見ると、一瀬隆重とある。やはり仕掛け人は彼だったのか。だから、『リング』とリンクするのだ。なるほどね、である。きっとくだらないだろう。わかりきっている。でも、きっとまた、見てしまうのだろうなぁ。

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