久しぶりのあさのあつこによる現代劇。高校生が起業する話。自分たちの居場所を作ることで、同じように悩み苦しんでいる人たちを援護することが可能なのかに挑戦する4人組。
高校から始まって、大学生になり卒業するまでを背景にした青春小説。大人になるまでを描くのではない。何が大人で何が子どもなのか、そんなことわからないけど、17歳が起業して会社を作り、成功させてもいい。それは夢の話ではなく、ある種の現実である。彼らが取り組むのは居場所作り。まずここが彼らの居場所になり、彼らの作ったアーセナルという会社はたくさんの苦しんでいる若者を救う。大人たちがダメなら自分たちがやる。しかもそれによって利益をあげる。そんな企業を立ち上げるのである。
後半詐欺師グループとの対決の話にシフトしていくのは少し残念だけど、夢に向かって前進していく彼らのサクセスストーリーは胸に沁みる。