習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

小手鞠るい『ふたり』

2011-08-01 22:05:16 | その他
相変わらずの甘い小説で、こんなのはリアルじゃない、と思う。夢物語の恋愛はいらない。と、思いつつも、ついつい読んでしまう。結局は嫌いじゃないからだろう。

ラストの交通事故死なんて、おいおい、それかよ、と突っ込みを入れたくなるけど、小手鞠るいの小説なのだから仕方ない。もう少しリアルな小説を書きませんか、といつも思う。こんな安っぽい3流映画やTVドラマのようなストーリーは現実にはあまりない、と思う。でも、彼女にはそんな話しか書けない。書かない。それが彼女のやり方なのだ。

パターンの中できちんと2人の気持ちは描ける。だから読みながら決して嫌ではなかった。それどころかなんだか心地よいくらいだ。しかも、2人の優しさはしっかり伝わってくる。こんな恋が出来たならそれはそれで本当に幸せなことだろう。現実ではそう簡単に夫は死なないけど。

 傷ついたもの同士が偶然出会い、恋に落ちる。少しずつ心を開き、夢を育てる。幸せになれる、と思う。だが、思わぬ事故が2人を引き裂く。でも、2人はいつまでも一緒だ。もう書いていて堪らなくなる。全身が痒くなる。この呆れるようなストーリーを堂々と見せられる。情け容赦なしだ。ストーリーを紹介するのは憚られたが、あまりに味気ないからおまけで書いた。


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