これはちょっとしたファンサービスデー的な企画で、作品としてはたいしたことはない。いつも全力のショウダウンから「全力」を抜いてしまったら何も残らない、というお話だ。しかし、8月公演に向けてのウォーミングアップとして、この時期にこういう肩慣らしをしておくことは必要だ。そういう意味では有意義な企画だったのではないか。次の大作『パイドパイパー』は、きっといつもの全力を必ず見せてくれるはず。たとえ、20人の役者が舞台に登場したとしても、(確かに「する、」らしい)、そこには林遊眠しかいないはずだ。しかし、それは彼女を輝かせるための舞台ではない。それは彼女が輝くための舞台なのである。ショウダウンの存在意義はそこにある。
だから、今回の1本目(『Bayonetta』)のように彼女がワキにまわったらそれだけで作品は色褪せる。30分の作品なのだが、お話自体はいつもと変わらない。魔王と戦う少女戦士たちのお話。大事なのはストーリーではないということを、改めて教えられる。
2本目『コンフェッション・オブ・ザ・デッド』は彼女と相手役となる為房大輔による2人芝居。これもよくあるショートストーリーだ。交通事故のため後30分で死んでしまう女性と彼女のために、深夜の遊園地で、一生懸命デートする青年のお話。オチもちゃんと用意されている。これは上手く作ったならとても切ない作品になる。しかし、ここで林遊眠の全力は空回りする。こういう陰影のある役を演じる場合、ストレートな全力投球は意味をなさない。30歳の女の子の生きたいという想いが残された短い時間の中でスパークする瞬間を見せる。それは、ただの全力だけでは表現できないのだ。この手の作品にはあざといくらいの技巧が必要になる。キャラメルボックスなんかそういうのがとてもそれが得意だ。だが、ショウダウンはそこには至らない。
ナツメクニオさんと林遊眠さんは何が得意で何が苦手なのか、そのことがよくわかる2作品だった。いずれも旧作で、僕は今回初めて見た作品だ。2012年より始まった作・演出 ナツメクニオ×俳優 林遊眠の一人芝居シリーズからしか彼らの作品は見ていないので、そういう意味でもこれらの作品は興味深かった。
だから、今回の1本目(『Bayonetta』)のように彼女がワキにまわったらそれだけで作品は色褪せる。30分の作品なのだが、お話自体はいつもと変わらない。魔王と戦う少女戦士たちのお話。大事なのはストーリーではないということを、改めて教えられる。
2本目『コンフェッション・オブ・ザ・デッド』は彼女と相手役となる為房大輔による2人芝居。これもよくあるショートストーリーだ。交通事故のため後30分で死んでしまう女性と彼女のために、深夜の遊園地で、一生懸命デートする青年のお話。オチもちゃんと用意されている。これは上手く作ったならとても切ない作品になる。しかし、ここで林遊眠の全力は空回りする。こういう陰影のある役を演じる場合、ストレートな全力投球は意味をなさない。30歳の女の子の生きたいという想いが残された短い時間の中でスパークする瞬間を見せる。それは、ただの全力だけでは表現できないのだ。この手の作品にはあざといくらいの技巧が必要になる。キャラメルボックスなんかそういうのがとてもそれが得意だ。だが、ショウダウンはそこには至らない。
ナツメクニオさんと林遊眠さんは何が得意で何が苦手なのか、そのことがよくわかる2作品だった。いずれも旧作で、僕は今回初めて見た作品だ。2012年より始まった作・演出 ナツメクニオ×俳優 林遊眠の一人芝居シリーズからしか彼らの作品は見ていないので、そういう意味でもこれらの作品は興味深かった。
やはり上手くかかはるな、と言うのが感想です。私はまだ感想を自分の言葉で説明できないです。でも私が感じたことを〔私が曲解してなければ〕きちんと言葉にしていただいた気がします。前に劇団ZTONの公演をお勧めしましたがはからずもこういう形でMr.ZTONとも言うべき為房さんの演技をご覧になることになるとは!運命とは不思議なものです。