習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ホタルノヒカリ』

2012-06-26 22:48:03 | 映画
 相変わらずのヒットTVドラマの安易な映画化である。こんなものばかりをTV局は作っている。しかも、そこそこヒットするし、すぐに自分の局でオンエアー出来るから、制作費はいらないのと同じで、安上がり。需要があるから、作られるのだろうし、見に来たTVシリーズのファンは、これでも満足するのなら、僕は何も言わないけど、このお話だけはあんまりではないか。

 今回はローマを舞台にしてのドタバタ騒ぎだ。『ローマの休日』ごっこで、1本の映画が作れたならそれはそれで幸せな話ではないか、と思うけど、これはそんなものではない。オリジナルのTVシリーズは時々見たが、そこにあった面白さは、ここにはない。

 今回の映画版は、スケールアップを図るために、海外ロケというこれも定番。お話なんか、ないに等しい。ばかばかしくて語る気にもならない。綾瀬はるかと藤木直人のコンビの魅力だけで、引っ張っていく。要するに、それはこの素材のオリジナルテイストだ。ここにはプラスαは、まるでない。海外ロケがそれだ、というのなら、あまりに貧しい。企画の貧困はここに極まったって感じだ。この貧弱な発想と、それを補うものをいっさい持たない台本の酷さ。よくも、これで企画を通したものだ。せめてこの企画で何を見せたいのか、もう少し考えてもいいのではないか。

ローマにも、「干物おんな」がいた! なんて話で、誰が喜ぶのですか。僕には理解できない。せめて『ローマの休日』をなぞるようなロマンチックなお話でも用意出来たなら、まだ、納得もいくのだが、バラエティーレベルの話しかない。これでは映画とは言えないだろう。景色は美しいし、観光地案内としては、まぁ、悪くはないのかもしれないが、わざわざそれを劇場で見せられても、なんだかなぁ、です。久しぶりの衝撃のつまらなさ。映画館で、退屈のあまり、居眠りしそうになる。



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