先日映画化もされた『遺体』の石井光太によるエッセイ風ノンフィクション。実を言うとこの人の本を読むのは初めてで、あの映画も見ていない。たまたま図書館で手に取った。あまり期待せずに読み始めたのだが、読みながらとても嫌な気分にさせられた。それはこの本が不快なのではない。描かれることがいずれもしんどいことばかりで、救われないことが原因なのだろう。だが、それだけではない。彼が取材とかで、自分が出会ったさまざまな人たちのことを綴る。ジャンルごとに2作単位で、8話から構成されてある。まず、こんなふうに整然と分けられると、なんか、違和感がある。
これはケースごとに分類して整理されるような問題ではない気がする。もちろんそんなことは重々理解したうえで、でも、敢えてこういう構成にしてまとめたようだ。この背後にはここには書かれないさまざまな人たちのケースが横たわる。これは石井さんが、見たり聞いたりしたことの一端でしかないし、彼の知らないところでは、よく似た話が山のようにあるから、だから、これはそのほんの入り口でしかないのだろう。
読んでいて、どんどん暗い気分になる。みんな心の中にさまざまな闇を抱えて生きている。そんなことはわざわざ言われなくても分かっている。だが、こうしてそのほんの一握りの事実と向き合うだけで、なんだか、つらい。どうして、こんなものを読んでしまったのだろうか、と思う。わざわざ向き合う必要はないことなのだ。
だが、石井はそんなことも、わかっていて、僕たち読者をここに導くのだ。ここから、自分を見つめなおして欲しい、とかいうわけではない。彼は確信犯だ。一見口当たりにいいエッセイ・スタイルで、この重いものを僕たちに手渡す。自殺、病気、虐待、苛め、災害、性癖、エトセトラ、エトセトラ。どうしようもない様々なもの。そこにある事実をぽんと指し示す。知りたくもない心の闇。それをたださりげなく見せる。もっとよいやり方があるはずなのだろうが、今の彼にはこれしかなかったのかもしれない。拙い。でも、これでいい。
これはケースごとに分類して整理されるような問題ではない気がする。もちろんそんなことは重々理解したうえで、でも、敢えてこういう構成にしてまとめたようだ。この背後にはここには書かれないさまざまな人たちのケースが横たわる。これは石井さんが、見たり聞いたりしたことの一端でしかないし、彼の知らないところでは、よく似た話が山のようにあるから、だから、これはそのほんの入り口でしかないのだろう。
読んでいて、どんどん暗い気分になる。みんな心の中にさまざまな闇を抱えて生きている。そんなことはわざわざ言われなくても分かっている。だが、こうしてそのほんの一握りの事実と向き合うだけで、なんだか、つらい。どうして、こんなものを読んでしまったのだろうか、と思う。わざわざ向き合う必要はないことなのだ。
だが、石井はそんなことも、わかっていて、僕たち読者をここに導くのだ。ここから、自分を見つめなおして欲しい、とかいうわけではない。彼は確信犯だ。一見口当たりにいいエッセイ・スタイルで、この重いものを僕たちに手渡す。自殺、病気、虐待、苛め、災害、性癖、エトセトラ、エトセトラ。どうしようもない様々なもの。そこにある事実をぽんと指し示す。知りたくもない心の闇。それをたださりげなく見せる。もっとよいやり方があるはずなのだろうが、今の彼にはこれしかなかったのかもしれない。拙い。でも、これでいい。
テーマが重くて読むのが苦しかったです~
ttp://birthday-energy.co.jp/ってサイトは石井さんのことを宿命を活かしにくい人、なんて書いてましたよ。元プロサッカー選手(元日本代表)の宮本恒靖と同一生年月日なんだって。コラムをぜひ読んでね♪
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