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映画・演劇のレビュー

あみゅーず・とらいあんぐる『女と男のしゃばダバだぁ 今さらですが、wedding?!』

2007-06-02 08:22:28 | 演劇
 条さんたちのお芝居はいつも同じである。内容もスタイルも見事に変わらない。今回だって「もう何回もこういう話見たよ」と思う。なのに、そんな同じような話がなぜか心地よい。それもいつもの事だ。等しく同じことの魅力。それがあみゅーずのよさに他ならない。

 最初のころは、もっといろんなことを試したらいいのに、なんて思ったりもしたけど、そのうちこの判で押したような形が板についてきて、今では、これでなくてはあみゅーずではない、と思うくらいの勢いだ。スタッフワークも素晴らしく(音響、照明、舞監、美術と、いつも同じメンバーである!)彼女たちを支え、安心して見ていられるようにしてくれる。予定調和といえば、これ以上の予定調和はない。なのにそれが、なぜか心に沁みてくる。さて、今回は結婚をテーマにした3本立だ。

 第1話『虹のでる頃』は結婚相談所が舞台。ここにやって来た、かってのあこがれの先輩(飯島和敏さん!)に相談員である笠嶋さんが仕事を超えてなんとか気持ちを伝えようとする話。もどかしい二人の恋を上手く描いていて楽しい。先輩は今では風采の上がらない中年おやじになっている。なのに、やはり、ときめいてしまう。電話で話してるのにお互い付かないなんて、あきれた話だが、そんなオマヌケがいい。

 第2話『ジューン・ブライド』は結婚式場の2人の花嫁の話。これはあまりにストレートすぎて、もう少しひねりが欲しかった。でも、これも気持ちよく見ていられるから、悪くはない。

 第3話『雨音のむこうに』は条さんと一快元気さんによるしっとりとした大人の男女のお話。ほんとうはお互い好き同士だったのに、彼女は彼の兄と結婚し、男は2人から去っていった。そんな彼が、兄の通夜に戻ってくる。雨の一夜の2人の再会の物語。2人の繊細な心の動きが丁寧に描かれており、彼らの芝居を見てるだけで幸せな気分にさせられる。

 2人芝居。3本立。20分から25分程度の短編連作。70分強で終わる。この短さがとても心地よい。もう少し見たいのに、と思わせるとこがいいのだ。とても優しくて、温かい、そんな気分にさせてくれる作品。もちろんそれ以上は何もいらない。

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1 コメント

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観劇ありがとうございました (一快元気)
2007-06-13 16:29:25
本当に楽しくお芝居させていただきました。

HIROSEさんのおっしゃる通りで・・

稽古も芝居を作っていく過程も楽しんでしっかり固めてゆく感じでした。私が大学時代に合同公演をしたときとほとんど変わらないスタンスを感じます。

あみゅーずはこれからも変わらず楽しい芝居を作っていかれるでしょう。

私は次の日から、また、稽古に入りました。
7月は神原さんの芝居で(私は端役ですが・・)
8月は満月動物園です。
10月は楽市・・

よろしかったら見にきてくださいませ。

掛け持ち稽古の続く
忙しい夏と秋です・・
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