思いがけない感動に出逢えれる。この短編集がこんなにも胸に沁みるだなんて思いもしなかった。なんだか辛気臭い感じの小説だが、なんて思いながら読み始めたのだが、なんのなんの、このきちんとしたオーソドックスな小説に嵌る。
昭和の一時期。まだまだ日本が貧しかった時代を背景にして、静かに運命を受け入れて生きる子供たちが描かれる。文句ひとつ言うことなく、きちんと生きる。目頭が熱くなる。この小説に登場する少年たちの美しいたたずまいが胸に痛い。7編ともよかったが、タイトルロールの『少年譜 笛の音』がベスト。『朝顔』『親方と神様』もいい。いずれも年老いた主人公が少年時代を回想するもの。長い歳月を背景にして今ここにある自分を作ったもの、出逢えた人のことを語る。
長嶋有『ねたあとで』は『ジャージの二人』の続編のような小説。長嶋有の初の長編らしい。でもいつもと同じ。だらだらどうでもいいような話が続く。夏の別荘での大人たちのくだらない遊びが描かれる。(軍人将棋って昔よくやった)父と息子。その周囲の人たち。この緩さがたまらない。だらだらいつまでも続くのが実は心地よい。
昭和の一時期。まだまだ日本が貧しかった時代を背景にして、静かに運命を受け入れて生きる子供たちが描かれる。文句ひとつ言うことなく、きちんと生きる。目頭が熱くなる。この小説に登場する少年たちの美しいたたずまいが胸に痛い。7編ともよかったが、タイトルロールの『少年譜 笛の音』がベスト。『朝顔』『親方と神様』もいい。いずれも年老いた主人公が少年時代を回想するもの。長い歳月を背景にして今ここにある自分を作ったもの、出逢えた人のことを語る。
長嶋有『ねたあとで』は『ジャージの二人』の続編のような小説。長嶋有の初の長編らしい。でもいつもと同じ。だらだらどうでもいいような話が続く。夏の別荘での大人たちのくだらない遊びが描かれる。(軍人将棋って昔よくやった)父と息子。その周囲の人たち。この緩さがたまらない。だらだらいつまでも続くのが実は心地よい。