予想を遥かに超える出来で、とても嬉しい。室賀厚にこういう青春ものが出来るのか、とかなり心配していたのだが、とりあえずは合格だろう。もちろんつくり方はかなり緩く、ストーリー展開にも無理がありすぎだし、ご都合主義の安易な構成にも呆れる。もう少し丁寧にリアリティーを感じさせる描写をしたらいいのにと、見ながら何度も思った。だけど、ドラマの核心の部分はしっかり守られているから、この映画を否定する気にはならない。
子供向けの映画なので、このくらいにわかりやすい見せ方をしてもいいかもしれない、なんて優しい気分で見てしまった。そんな風に思ってしまうくらいに気持ちのいい映画に仕上がっているということなのだ。
この春公開された『バッテリー』を見ているのであれと比較するのは酷だが、これはこれで決して子供を舐めた映画ではない。
主人公の谷口くん(布施紀行)が、いつも下を向いていて、恥ずかしそうにしているのがいい。試合に勝っても、調子に乗ることはない。自分に自信がない。でも、野球が大好きで、野球をしていたい。
今まで誰も、彼に野球を教えてくれなかったから、中学のクラブでもただ黙々と球拾いをしてきただけだった。(満足にボールを投げることもできない、というのはあんまりだと思ったが)だけど、野球が大好きだから、万年補欠でも野球部をやめなかった。
そんな彼が転校先の中学の弱小野球部のキャプテンになり、みんなを引っ張って県大会の決勝戦にまで行き、全中でも常勝チームである青葉学院に対して五分の試合をする。こんな短期間でここまで強くなるなんてことは、現実にはありえない。所詮映画の作り事でしかないが、見ていて嫌な気分にはならない。それは、この映画が、一生懸命に努力することの尊さをきちんと描こうとしているからである。それだけの映画なのだが、それはそれで悪くない。
子供向けの映画なので、このくらいにわかりやすい見せ方をしてもいいかもしれない、なんて優しい気分で見てしまった。そんな風に思ってしまうくらいに気持ちのいい映画に仕上がっているということなのだ。
この春公開された『バッテリー』を見ているのであれと比較するのは酷だが、これはこれで決して子供を舐めた映画ではない。
主人公の谷口くん(布施紀行)が、いつも下を向いていて、恥ずかしそうにしているのがいい。試合に勝っても、調子に乗ることはない。自分に自信がない。でも、野球が大好きで、野球をしていたい。
今まで誰も、彼に野球を教えてくれなかったから、中学のクラブでもただ黙々と球拾いをしてきただけだった。(満足にボールを投げることもできない、というのはあんまりだと思ったが)だけど、野球が大好きだから、万年補欠でも野球部をやめなかった。
そんな彼が転校先の中学の弱小野球部のキャプテンになり、みんなを引っ張って県大会の決勝戦にまで行き、全中でも常勝チームである青葉学院に対して五分の試合をする。こんな短期間でここまで強くなるなんてことは、現実にはありえない。所詮映画の作り事でしかないが、見ていて嫌な気分にはならない。それは、この映画が、一生懸命に努力することの尊さをきちんと描こうとしているからである。それだけの映画なのだが、それはそれで悪くない。