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映画・演劇のレビュー

劇潜サブマリン『帰ってきた兄』

2011-12-07 21:32:49 | 演劇
 まだ20歳前後の若い作家(作、演出 千葉悠平)の作品だ。大阪芸大の学生劇団による公演。学外で本格的に上演し、自分たちの表現を広く世界に指し示そうとする、なんて言うのは、いささか大袈裟か。でも、その心意気は買う。チラシを見たとき、家族の問題を扱っているみたいで、そこにもそそられた。頭でっかちの自己満足でもなく、頭がからっぽのエンタメでもない。そんなほどほどのバランス感覚が伺える。出来あがった作品は . . . 本文を読む
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スアシ倶楽部『甘い想い』

2011-12-07 21:10:09 | 演劇
 とても素敵な40分ほどの小さな芝居だ。ジュンパ・ラヒリという人の『停電の夜に』を、三好淑子さんが構成、演出した作品である。彼女の美意識が前面に出て、趣味のいい小品として仕上がった。とても贅沢な時間である。 「なにか言いっこするのよ、暗いなかで」と当日パンフの表紙に書かれてある。これは、それだけのお話なのである。ある夫婦が停電になった部屋で、隠していたわけではなく、たまたま今まで喋る機会のなかっ . . . 本文を読む
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カラ/フル『発するチカラ』

2011-12-07 21:01:06 | 演劇
 3・11以降の演劇もようやく第2期に突入してきたようだ。そこで描かれるのは被災地との距離感ではなく、直面する状況の中で何を描くのか、という次元に移り変わってくる。  この作品は、直接今回の震災を扱った作品ではないが、明らかにその影響下で作られたものだろう。書けなくなった劇作家が、主人公で、彼の妄想が描かれていく。シェルターのような場所(パンフには地下室に作られたカフェ、とある)で、缶詰になり、 . . . 本文を読む
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『アントキノイノチ』

2011-12-06 21:59:20 | 映画
 試写会で映写トラブルがあり、1時間10分だけ、見ていた。しかも何度も中断しながら、細切れに不完全なものを見せられた。その挙句、上映中止になり、結局その日は最後まで見れないまま、帰った。そのへんの詳細は11月5日のこのブログに書いた。今日、ようやく、ちゃんと見ることが出来た。松竹は招待券を送付すると言っていたが、残念だが、僕の家には届かなかった。しかたなく、チケットを買って見に行く。最初はなんか腹 . . . 本文を読む
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『1911』

2011-12-05 23:27:33 | 映画
 ようやくこの大作映画を見る。ジャッキー・チェン100作記念ということで、大々的に宣伝していたはずなのに、日本ではまるでお客さんは入らなかった。そりゃぁ、この題材とこの話である。従来のジャッキー・ファンは一切来ないだろう。これはアクション映画ではない。今ある中国人のルーツをたどる映画だ。辛亥革命を真正面から描く。100年前の出来事から、中国人のルーツをたどるなんて、なんだか大胆な話だが、これはこれ . . . 本文を読む
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『新少林寺』

2011-12-03 21:27:02 | 映画
 リー・リンチェイ主演『少林寺』から29年。再び今、少林寺を舞台にしたアクション映画の傑作が生まれた。前作は昔ながらのカンフー映画でしかなかったが、今回はまるで違う。時代も変わりあんな単純な映画では通用しない。今の時代のニーズに合わせて、しかもあの頃の思いもちゃんと残した新生『少林寺』の誕生だ。2時間11分の大作である。上映時間だけではない。アンディ・ラウ、ジャッキー・チェン、ニコラス・ツェーとい . . . 本文を読む
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『戦火の中へ』

2011-12-03 21:22:40 | 映画
 これは朝鮮戦争を舞台にした戦争映画である。いきなり激しい戦闘が繰り広げられる。一体何がどうなっているのやら、よくわからないまま、まるで戦場に放り込まれた気分にさせられるのは、『プライベートライアン』以降のある種のパターンだが、この映画も迫力がある。  その戦闘で生き残った主人公が、今度は自分と同じように学徒動員で召集された学生たちを指揮して戦うことになる。この映画の本題は戦争スペクタクルではな . . . 本文を読む
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『孔子の教え』

2011-12-01 22:19:26 | 映画
 ようやく日本公開されたこの中国映画の超大作は、一昨年のお正月映画で本国では大ヒットした『十月囲城』と並んで、公開されたのだが、興行的にはどうだったのだろうか。僕が台湾で『十月囲城』見たときには宣伝はしていたけど、まだ封切られてはいなかった。(と、思う。確か。)  孔子を主人公にした大作映画なんてものに中国人は食指をそそられたのか。よくわからない。今の中国人にとって孔子ってどんなポジションなのだ . . . 本文を読む
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『エンジェル・ウォーズ』

2011-12-01 21:35:10 | 映画
なんともノーテンキなアクション映画ではないか、と思いながら劇場で何度となく、予告編を見せられた。おバカな女の子ムービーだと思ったので、さすがに映画館で見る気はしなかったが、『300』のザック・スナイダー監督作品である。それだけではないかも、と思い、レンタルしてきた。 CG使いまくりの『300』や『ウイッチメン』でのやり方を踏襲して、今回もやりたい放題。ただし、ただのノーテンキ映画ではなかった . . . 本文を読む
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