習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『逆転勝ち』

2015-03-19 20:33:51 | 映画
第10回大阪アジアン映画祭で見た。台湾で大人気のロックバンド、メイディ(五月天)のモンスターが主演した作品らしい。ということは、ちょっとしたアイドル映画みたいなものなのか。なかなかチケットが取れなかった作品らしい。しかも、僕が見た回は、台湾から主演のモンスターと監督のコン・ウェンイェンが来場して挨拶と終わった後にはQ&Aまである。 場末のビリヤード場が映画の舞台となる。主人公の女の子は、ここで暮 . . . 本文を読む
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鞦韆舘presents 『カナリヤンなショートプレイフェスティバル vol.2』

2015-03-19 20:04:52 | 演劇
昨年に引き続き今年も『カナリヤンなショートプレイフェスティバル』が行われた。「芸術中心◎カナリア条約」の芸術監督である佐藤香聲さんがチョイスした5団体が30分という制約の中で自分たちの表現を提示する企画である。 残念ながら今年の5団体は驚きを提示してくれない。でも、それは嫌なことじゃない。だから見に行ってよかったと思う。(昨年の作品も決してよかったとは言わないけど)こういう企画があり、そこに参加 . . . 本文を読む
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窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』

2015-03-19 18:52:49 | その他
昨日読み終えた『にじいろガーデン』の結末部分を悲惨だとは思わない。小説なのだから、いくらでも幸せなラストを用意してもいい。しかも、あんなハートウォーミングなのだから、と言う人はきっとたくさんいるだろう。でも、僕はあそこに作者の強い意志を感じた。譲れない一線だ。優しくて気持ちのいい小説にしてもよかった。あんなことをしなくても、これは新しい家族の形を提唱する、そんな作品だ、と言われたはずだ。 でも、 . . . 本文を読む
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『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

2015-03-17 21:17:19 | 映画
うちのクラスの生徒が、僕より早くこの映画を見てきた。「先生! ぜひ見て下さい。とても、よかったから」と言う。こういうハートウォーミングは甘いだけの映画になっていたら、目も当てられない。かなり微妙じゃないか、と思っていた。でも、彼女を信じたわけではないけど、たまたま見に行くことにした。時間が上手くあったからだ。いつものことだが、忙しくて見たい映画を自由に見れる余裕がない。うまく2時間とか、時間が出来 . . . 本文を読む
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小川糸『にじいろガーデン』

2015-03-17 20:51:40 | その他
ある家族の16年間の軌跡を描くのだが、ふつうの家族ではない。4人は、ふたりの女性と、ふたりの子供たち。最初は3人だった。でも、お腹にいた赤ちゃんが生まれたから、4人になった。 レズビアンのカップルと6歳の息子は東京から逃げ出す。駆け落ちだ、と言う。自分たちが自由に生きることが出来る場所を求めて旅をする。安住の家を求める。廃屋になっていた田舎の小さな学校を改築して(お金がないから自分たちの手で)そ . . . 本文を読む
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『マリアの乳房』

2015-03-13 20:16:01 | 映画
一見すると、『汚れた女』や『雷魚』の時代に戻ったような映画なのだが、(それだけに過大な期待を抱くことになった)残念ながら、全く作品に力がない。低予算、短期間のピンク映画と同じような条件での作品なのに、それが作品の力にはなっていないのはなぜか。瀬々敬久監督はもう以前のようなパワーが無くなってしまったのだろうか。そんなわけはない。それどころか、こういう企画だからこそ、全力でこの作品に取り組んだはずだ。 . . . 本文を読む
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柚木麻子『本屋さんのダイアナ』

2015-03-13 19:23:56 | その他
『笹の舟で海をわたる』を読み終えた。最後の展開は予想外だが、納得する。40年の歳月の中で、ふたりの女性が支えあいながら生きていく歴史を通して、どこにたどり着くのか興味シンシンだったが、思いもしないどんでん返しにはならなくてよかった。復讐とかはないよ、と思いながら、でも、終始ドキドキしたには、風美子の想いがどこにあるか、見えないからだが、左織の不安は疎開先での出来事に起因するだけではなく、生きてい . . . 本文を読む
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『キックアス ジャスティス・フォーエバー』

2015-03-13 19:23:10 | 映画
『キックアス 2』である。前作があまりに強烈過ぎたから今回はあまり期待できないと思った。監督も変わったし、お話がどうにもつまらない。でも、DVDでなら、見てもいいかぁ、と思いレンタルしてきた。やはり、予想通りの作品で見るまでもなかった。 前作は『バットマン』だったけど、今回は『アベンジャーズ』である。今時のヒーローはとかく群れたがる。弱い奴ほどひとりでは何もできないから、そうなるのだ。今回のキッ . . . 本文を読む
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角田光代『笹の舟で海をわたる』

2015-03-12 20:38:49 | その他
これは凄い力作だ。こういう大河ドラマは苦手なのだが、角田光代がやるのだから、読まないわけにはいかない。戦時中の疎開先で、いじめに遭い、それがトラウマになる女性、という設定なのだが、単純ではない。記憶の中から失われた時代を彼女は思い出させる。主人公の左織は、風美子と再会する。疎開の時一緒だったらしい。だが、記憶にはない。22歳の再会から40年に及ぶ歳月を描く。時系列には並ばない。時間は何度も前後する . . . 本文を読む
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『チャーリー・モルデカイ  華麗なる名画の秘密』

2015-03-12 20:17:08 | 映画
ちょっと疲れていたから、あまり何も考えなくていいような映画を見ようと思った。そう言う意味でこのバカバカしいにも程があるような映画はいいのではないか、と思った。ジョニー・デップがちょび髭を生やす映画。それだけではないだろうけど、そんなどうでもいいようなことを大々的に宣伝にする。なんて平和な映画だろうか。宣材として、登場人物たちがみんなちょび髭を付けて顔を並べたチラシを作っていたが、あれ何ななんなんだ . . . 本文を読む
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『さいはてにて』

2015-03-11 20:09:34 | 映画
この春いちばんの期待作だった。どうして、どういう経緯でこういう映画がうまれたか、そこもまた、気になるところだが、問題はそれではなく、僕がもともとこういう隠れ里を描く映画が好きなのだ。登場人物は5人。ほかは、点景の域を出ない、というのもいい。「やさしい香りと待ちながら」というサブタイトルは作り手(というよりも宣伝部か)の自信のなさを感じさせて、なんだかなぁ、だが、悪くはない。 主人公の女性(永作 . . . 本文を読む
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『アデル、ブルーは熱い色』

2015-03-11 20:03:36 | 映画
『クスクス粒の秘密』の監督作。今回も長い。監督の名前が、ではない。上映時間が、である。なんと3時間もある。(監督の名前は、アブデラライス・ケシシュ。長い。難しい。覚えられない) しかも、話はない。アデルのエマへの熱い想いを、ただ延々と綴っただけ。高2の頃、出会い、好きになり、同棲して別れるまで。 ずっと好き。その気持ちは出会ったとき(街角で偶然すれ違っただけ)から、別れた今も変わらない。寂しい . . . 本文を読む
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瀧羽麻子『色は匂へど』

2015-03-11 19:54:25 | その他
主人公は、京都麩屋町(先日芝居を見るために京都に行ったから、ついでにこの小説の舞台を歩いた)で小さな和食器店を営む女性、紫。彼女に無邪気に大胆に好意を寄せてくる調子のいい(胡散臭い)15歳も年上の染物師、光山。30代のひとり身の女性と、50代のプレイボーイ。まるで接点のない2人が恋に落ちそうで落ちないという小説。そう書くと、「なんだ、それは!」である。京都を舞台にして、そんな大人の恋を描く。そうい . . . 本文を読む
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第2劇場『ボンボドス』

2015-03-10 22:28:47 | 演劇
11年前の初演を見ている。というか、2劇はずっと見ているから、(学内での公演は除く)当然のことだが、こんな大事な仕掛けを忘れていた。当日配布される文庫本である。よくぞここまで作ったものだ。これを安易に公演パンフと呼ぶのは、はばかられる。(もちろん、芝居に使うのだが、決して必要不可欠なもの、というわけではない。要するに、これは作り手の側の趣味なのだ。でも、ここまで手の込んだ作業をした。好きでもなか . . . 本文を読む
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南船北馬『わがまま』

2015-03-10 22:17:07 | 演劇
何をいまさら、なんだが、このタイトルが『マイマザー』だったことに、後で気づく。こんな単純に掛けてあるのは、そこに大きな意味を持たさないからだろうから、あまり気にするまでもない話なのだが。 棚瀬さんが、今度は、子育て中の7人母親と芝居を作る。自分もまた、出産してから初の作品となる。お子さんはもう1歳半になるらしい。もう、というのは僕の認識でしかない、彼女にしてみれば「まだ」であろう。子育ての大変 . . . 本文を読む
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