メスト/ウィーンフィル「ニューイヤーコンサート2011」

          

 録画していた今年のニューイヤーコンサートを見ました。全般的に歌劇場での経験を活かした(?)マイナーな曲が多くて、過去の演奏との比較はほとんど出来ませんでしたが、急ぎ過ぎず、遅過ぎずでたっぷり鳴ったワルツだったんだろうと思います。

 第1部と第2部の間にメストのインタビューが流れて、25年間、外国で指揮を続けてきて、ウィーンの音楽を伝えるのに苦労したが、久しぶりに出身地の楽団であるウィーンフィルの前に立つと、懐かしい方言が言わずとも演奏されてほっとしているということを話していました。
 カラヤン以来(?)の久しぶりのオーストリア人であるメストがウィーン訛りをたっぷり聴かせてくれれば満足できるのでしょうが、素人の私にはメストの演奏がウィーン風なのか、特徴がよく分かりません。

 その中でも印象に残ったのは3曲(シーン)。まず騎士パスマンのチャルダーシュ。私が聴いたのはクライバー以来ですが、間合いをたっぷりとって楽しそうです。これがウィーン訛りの一つなんでしょうか。メストはリズムを動かす演奏では生き生きしています。次はポルカ「ノンストップ」。初めて聴きましたが、おどけた演出が楽しかったです。最後は、美しきドナウで別映像のバレエダンサーが最後に楽友協会ホールに入ってきたことです。これは驚きというか、粋なサービス精神に喝采です。これまでもこういう演出があったのか分かりませんがワクワクしました。

 観客席の風景は、ポツポツとアジア人(おそらく日本人)が映るのは変わりませんが、インド人が増えて来ています(何度も何度も繰り返しアップになったインド人夫婦は一体誰、何なんでしょうか)。私には判明できませんが、中国人、ロシア人、ブラジル人も結構いるのかもしれません。ニューイヤーコンサートの座席確保勢力図は世界経済情勢の移り変わりを反映しているのかもしれません。

 何だかんだいっても、年に一度の世界最高のワルツ、ポルカの演奏会であることには違いありません。来年はヤンソンスだそうです。オケからの信頼も厚い手堅い人選なんでしょうが、聴く側からはワクワクはしません。ティーレマン、ドゥダメル、久しぶりのアバド、ムーティ・・・ちょっと思い付きません。




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