大好きなクラシック音楽、本、美味しいお店、旅行などの記録です。
休日はソファの上でリラックス!
さとなお「極楽おいしい二泊三日」
2011年01月19日 / 本
「東京百年レストラン」を読んだ後、そういえばと手に取りそのまま止まらなくなりました。さとなおさんの「極楽おいしい二泊三日」です。この本は去年の6月出版なので、岡山にいた時に一度読んでいるのですが、おそらく転勤が決まってバタバタで気持ちここにあらずで目を通したんだと思います。
じっくり読むと本当に面白いです。もともとは「クレア・トラベル」という季刊雑誌に連載されていて、2~3号持っていました。特に「伊勢志摩」の号は旅行前にタイミングが合い、ここで知った「一升びん」、「豚捨」、「ちとせ」、「ふくすけ」、浦村牡蠣でおいしい食事をいただきました。残念ながら有力候補の「レストラン宮本」のカレーや「ヨット」での海産物はタイミングが合いませんでしたがものすごく充実した満足の旅になりました。
私も旅行の時にはおいしい店を行程に入れるように、あるいは観光よりもおいしい店が目的という旅をしてきたつもりなので、全く違和感なく熟読できました。二泊三日の旅行の昼晩朝昼晩朝昼の7食をどう構成するか。ただ、実際には7回全てをという訳にもなかなかいきません。食事付の宿を外せばいいのですが、せっかくの旅行、2泊あればどちらかは温泉、畳部屋でほぉーとゆっくり疲れを癒したい。ホテルの食事でも朝のバイキングは比較的満足できるので中途半端に朝ご飯に出掛けるより、バイキングで好きなモノを自由に食べたい気もする。
札幌、秋田、仙台、軽井沢、名古屋、伊勢志摩、大阪、金沢、広島、高知、福岡、長崎、那覇、そして京都、東京です。
この中で店の選択は違ったり被ったりもしますが、自分なりに地元の料理・文化を味わったとたぶん言えるのは、伊勢志摩の他、大阪、京都、広島、高知、那覇くらいです。行っていない街はありませんが食べていない街が多すぎます。地元の福岡を実は全然知らないのも痛い(学生時代は東京、その後の帰省時も自宅周辺滞在が多いのでほとんど飲み食いしていない)。まだまだ頑張ってお金を稼いで、頭を下げて休みを貰って、行く場所が沢山あります。とはいえ、まだ子供が小さいので食事目的の旅には行きにくいなあという状況です。それでも全く無理という混乱から少しずつ可能性の光が見えて来たかも。それとも、おいしい店を巡って満足を得るよりも、不自由でも子供が小さくて可愛い時間の方がよっぽどいいのかもしれません。
まだまだ多くの街を特集してほしいです。あとがきにニューヨーク、香港、ソウルも入れる予定だったが売れたら第2弾でとのこと。なんとかそうなって欲しいと願っています。
ところで、東京二泊三日の欄でも紹介された「カンテサンス」はミシュラン三ツ星の前から凄いということがいろんな所に書かれて絶賛されています。岸田シェフはフランスの「アストランス」のスーシェフを務めたと読んでいました。
「ミシュランガイド 世界の三ツ星レストラン」という世界中の三ツ星店を紹介した雑誌風の本の中に「アストランス」があり、そこはフロア担当のオーナーが客を見て、嗜好とアレルギーの有無を確認してコースを作る、完全おまかせで何が出てくるのかは教えてもらえないとありました。そういうドキドキするような店でトップの次に上り詰めた人ならすごい料理なんだろうなあと想像します。
そして、岸田シェフの略歴をHPで見ると志摩観光ホテルの「ラ・メール」から修業を始めたとありました。伊勢志摩を旅行した際に行こうと考えていた「レストラン宮本」は「ラ・メール」の名物カレーと同じ味で安く食べられると本書に書いてあって選んだものです。
結局、そのカレーももちろんカンテサンスの食事も食べたことはなく、フランスのアストランスに訪問することはありませんが、小さなテーブルで大きな感動感激が繰り広げられていることを知るとワクワクします。食に関する旅が頭の中で広がると面白いなあと自己満足に浸れます。
本書にあるとおり食べることは旅であり、その他いろいろ楽しいです。
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伊藤章良「東京百年レストラン」
2011年01月19日 / 本
さとなおcomで紹介してあった伊藤章良著「東京百年レストラン」、久しぶりにじっくり文章を読んだグルメ本です。通常、この手のグルメ本は、2~3店の自分が訪れるかもしれない優良店を探すために目を通すのですが、ここでは著者の食べること、飲食店にはどうあってほしいかについての拘りを共感を持って味わい、楽しむことが出来ました。
紹介されている店は、鮨、フレンチ、イタリアン、日本料理、天ぷら、お好み焼き、居酒屋、バーなど38店。東京のおしゃれスポットや東京下町などおそらく行くことはないだろう店ばかりです。食べることには引き続き関心は持っていますが、時間を長く取られる店、誰かと一緒でないと楽しめないジャンルはちょっと対象外という状態です。それでも会社の付き合いで一般店にも行くので全くその手の店に行かないわけではありませんし、B級グルメ店であっても高級レストラン、居心地のいい居酒屋などと通ずる点もあるということでしょうか。
楽しく読んだグルメ本は複数ありますが、こういう著者の「拘り」に惹かれたグルメ本としては、15年近く前でしょうか、「ぴあ」に連載されて本になった田中康夫「いまどき真っ当な料理店」以来かもしれません。田中康夫については好き嫌いはあるかもしれませんが、この連載は好きでした。真っ当な店の姿勢、サービスとは何か、あまり大っぴらに言えなかった事を代弁してくれたような爽快感がありました。
いい店、いい店主、いいスタッフ、いい料理の紹介については、是非著書をご覧いただければと思いますが、最近はそうなんだとしみじみ実感したこと、それがいい!とひどく賛同したことを一点ずつ。
しみじみ実感したことは、最近のお客さんが、あまりお酒を飲まなくなっているという記述です。会社の若手との交流の中で10年以上前から下の年代が飲まないことに気付いてはいましたが(自分からは飲まない、宴席以外では飲まない、アルコールなしで真夜中までバカ騒ぎできる)、飲食店の経営にもその影響が大きくなっていることに驚きました。
ビール、日本酒、ワインを飲むか飲まないかは個人の嗜好の問題ですが飲むことを前提にいろいろと値段、品揃えを設定している店がスタイルの変更を余儀なくされる。既存の客が従来どおり楽しめなくなると深刻です。
もう一点、その方がいいよとひどく賛同したことは、(これは著者がそう言っているのではなく、そういう店が何店かあることの紹介なのですが)居酒屋、日本料理店で刺身を出さない店があるということです。そう、肴の刺身は要りません。刺身が嫌いなんではありません。むしろ大好きです。これまで各種宴席の冒頭で刺身の盛り合わせをそれこそ何百回と食べてきましたが、満足できる質のものはホンの数えるほどで、このレベルなら出さなきゃいいのにとずぅーと思っていました。ただ、多くの方は刺身がないと始まらないと習慣付いているのか、ちょっとした内輪の飲み会でもまずビールと刺身の盛り合わせと宣言されます。そうなると従わざるを得ませんでした(皆さんが要ると言っているのに不要と抗議するのも野暮ですし、手を付けないとまだ酔う前で必ず指摘されてしまいます)。
それが、この本では、そもそも刺身はないが焼き物や煮物でうまい日本料理、肴を食べさせる店があると紹介されていました。美味い刺身を出す店もありますが、生涯総宴会の疲れで完全に飽きてしまったのと、赤身を中心に質の低いものが多い。
同じ店でも最後に出される鮨としてなら美味しいのですが刺身としては何故か質が低いと感じてしまいます。個人的な感想、賛同ですが、もう少しそういう店が広がってくれればいいのにと思いました。
最後は愚痴のようになってしましましたが、伊藤章良「東京百年レストラン」、とてもよい本です。
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