市の中心地から西の方角に10kmほど離れた郊外、陣屋新橋からの眺望です。エゾヤマザクラや
イタヤカエデの花と、芽生え始めた落葉樹の薄緑色の新緑が景色を彩る。
今日、訪れる山野草の小群落地は、この橋から40mほど下ると辿り着く陣屋町。谷川沿いに広がる
戸数360程の小さな町です。
この場所は杉の大木や雑木が鬱蒼と生い茂る林床。今は、キクザキイチゲやカタクリの花の時期
は終盤。入れ替わるように、ニリンソウが可憐な花を咲かせています。大きな群生地ではありません
が、市内の他よりも一歩先駆けて花を見せてくれる山野草の自生地です。
※陣屋町の町名の由来は、この地に江戸幕府の命により 噴火湾の沿岸警備を担った南部藩の陣屋があった事からです。
昭和9年からは、「東蝦夷地南部藩モロエラン陣屋跡」として国が定める史跡として保存管理されています。
黄花甘菜(キバナノアマナ)は、本州中部以北から道内にかけて自生する春を代表する山野草で
す。白緑色の葉を茂らせて、黄色の小花を群がるように咲かせています。
オオバナエンレイソウ(大花延齢草)が純白な花を咲かせています。この場所では群生せず、2~
3株がまとまるように自生しています。
エンレイソウは、発芽してから花が咲くまでは10年ほど。さらに、寿命も50年以上と驚くような長寿
植物です。
帰路、道路脇でエゾヤマザクラが花を満開に咲かせていました。自生地の環境が影響するのでし
ょうか、この場所で咲くエゾヤマザクラは毎年、美しい薄紅色の花を咲かせます。